「キャリアのアクセル、いつ踏むか?」名言で振り返る国際女性デー

2024年4月2日
全体に公開

NewsPicks for WEでは、3月6日水曜から8日金曜までの3日間で国際女性デーのイベントを開催しました。

登壇者の名言、振り返ります

キャリアの早い段階で子どもを産むべきか、ある程度キャリアビルドをしてから産むのがいいのか、どちらが正解とかはない。ただ、どちらかに意識を持っていったほうが、迷わない。

そこで、30代前半はキャリアビルドに集中する時期と決め、目標を掲げて仕事や学びに専念をした。

そう話してくれたのは、スープストックトーキョーの新社長ご就任が発表された工藤萌さん。

それを受けて、青木想さんは、キャリア構築は男女関わらず誰しも「アクセルを踏むタイミングがある」とコメント。

ただ女性の場合は、本当はアクセルを踏み込みたいけど「子育てとのバランスでできない」とか、「私なんかが踏んでいいのか」と思ってしまう。

でも、そういう我慢は、いずれポジティブじゃない形で爆発してしまう。

私は今この瞬間、アクセルを踏みたいんだと思ったら、やってみる。そのためにも、いつも「自分がどうしたいか」をクリアにしておく。

青木さんの言葉に、会場内の頷き率が200%でした。

産後間もない笹川友里さんは、「独立してから人格が変わったように意欲的に挑戦をしている」と、エネルギーに満ち溢れた笑顔で言い、会場の熱量に火を注ぎました。

アナウンサーは、決して失敗が許されない仕事だった。

でも、20代後半になり、30代をどんな10年にしたいか考えたとき「いっぱい失敗してみたいな」と思った。

その言葉の通り、恐れず奮闘されるリアルな30代の姿が「凛とした」という表現そのもので。

全員が「はじめまして」だったのが信じられないくらいの、絶妙な名言の応酬となりました。

管理職は、金太郎飴からオーケストラの指揮者へ

DAY1のセッション2は、2030年に向けて「管理職のあり方を見直す」がテーマ。

岡島悦子さんの金言が連発で、観客のみなさんのメモを取る手が加速し、ノンストップの名言劇場でした。

変化が激しい時代には「自己効力感」、つまり未来の自分に対する自信が重要になる。それをチームに拡大して「組織としての効力感」も上げていく。

そのためには、これまでの「金太郎飴型」ではなく、多様なメンバーの力を引き出す「オーケストラの指揮者型」のリーダーが必要とされている。

岡島さんのコメントは一言一句、全管理職に聞いてもらいたいです。

三井物産の望月信孝さんは、4児の父であり、管理職でもあります。ワークライフ両立の秘訣は、「業務の生産性を上げ、組織内でナレッジマネジメントを実践すること」だそう。

同じく三井物産の崔呈嘉さんからも、「管理職になるとタイムマネジメントのスキルが求められる。一方で、管理職だからこそ、より効率的なやり方も導入しやすくなる」と、前向きな言及がたくさん。

交流会でも、登壇者を囲んでのお悩み相談の輪が。

(このリアルなモヤモヤコメントたち、どれも共感するしかない!)

©NewsPicks for WE
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「誰もが」働きやすい職場、その条件とは?

DAY2は、個人的にも注目している「仕組み化」の話。

「誰もが」働きやすい場をつくるとき、配慮にまかせていては再現可能ではないですよね。どのように仕組み化をし、かつ、サステナブルに運用していくか。

人事だけでなく、経営やマネジメント層も不可避の課題です。

石倉秀明さんから提起されたのは、多様な人が働きやすい職場環境にするためには、「成果主義」の見直しも重要だという点。

画一的な評価基準ではなく、その人が出せる成果を見て、評価もデザインし直す必要があります。

また「善意や配慮は、もろい」という、スマートHR桝田草一さんの言葉も印象的でした。

給与明細が紙だったとき、視覚障害がある方は、人事が読み上げたり、エクセルの読み上げ機能が使われたりしていた。それは善意でやられていた。

しかし善意では、何かのきっかけで機能しなくなる。だからこそ仕組みが必要である。

自社での経験を踏まえてのお話は、重みがありました。

ワークライフバランス社の浜田沙織さんは、中小から大企業まで、粒度の違う課題に対する取り組みを支援してこられた視点で、すべての問いに、事例を踏まえてお話してくれました。

例えば、勤務間インターバルの導入で人材の採用率も定着率もあがった、という成功事例。

属人化を防ぎ、仕事を抱え込まずに誰かにパスをまわしたり、優先順位を決めたりして効率を上げていくきっかけとなったそうです。

女性だからこそ、結果を出す。経営者の覚悟

DAY3は、起業や新規事業など、女性がビジネスを興すことと、その支援にまつわる課題と展望がテーマでした。

藤本あゆみさんからは、スタートアップ業界のジェンダー課題の例として、グロースフェーズにおける女性起業家の少なさが挙げられました。

また、女性起業家はロールモデルが少ないので相談する相手が限られてしまったり、相談自体が難しい傾向にあります。でも、

女性だからこそ、結果を出すしかない。

成長した会社として議論できるようにと、ハングリー精神があった。

READYFORの米良はるかさんは、起業時の思いをそう振り返りました。

小島舞子さんからも、VCとの交渉術からオンラインでのチーム組成のポイントなど、トライアンドエラーを含めたコメントが。

富原早夏さんからは、支援する側として、経産省のJ-StarXの取り組みを事例に、海外からの日本人女性起業家への期待値が意外と高い、という話も。

ジェンダーステレオタイプの根強い日本でビジネスをやっているのは、逆に言えば、ポテンシャルが高いということ。納得の点でした。

みなさん、着実に一歩ずつ経験を積み重ねてきた轍があり、今につながっているのだと確信できる対話でした。

詳細レポートは後日、記事化します

満足度100%のセッションもあり、もちろん課題感のフィードバックもあり。

また次につなげて変わらず熱量を維持できるように、引き続き、多方面からの発信を強化します。

そして何より、この流れは3月で終わりません。4月以降も、みなさんの課題を可視化して共有する取り組みを進めていきます。

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