ビールとコミュニティと経営は相性が良い〜サンデーカンパニーって何?〜

2023年7月9日
全体に公開

はじめましての方がたくさんかと思いますので、簡単にご紹介させていただきます。

私は大森山王ブルワリーという東京、大森発のクラフトビールの企画販売会社を運営しております。文明開化後、いち早く駅ができ、政治家や外国人、文化人などの交流が盛んな文化薫るまちとして栄えた大森。そんな大森の歴史や魅力を再発見し、魅力が伝わるようにと人の名前をつけた「大森山王ビール」を開発し、地域の人たちに大森を楽しんでいただけるようなビールのある様々な場所や機会を作っています。

そして、この3年間、「サンデーカンパニー」というコミュニティを運営し、経営をしてきました。最近ちらほら、コミュニティと経営が混じってるような言葉を見かけて、今後の企業経営においてきっとコミュニティってすごく重要な要素になってくる気がしていますし、実際、私はこのサンデーカンパニーを3年間やってきたおかげで今があるし、もしこの場がなければひょっとしたらもう事業として終わっていたかもしれない。そんな気すらしています。

コロナ禍にこの活動を続けたことが、昨年5月頃より、コロナと共存をしていく社会に切り替わり、イベントなどが始まったタイミングで幸いなことに僕らは心強いスタッフがいる状態で、臨むことができました。もしコロナの中で人を削るというスタイルを取っていたら、このような活動はできておりませんでした。

それくらい今の大森山王ブルワリーにとって欠かせない、このサンデーカンパニー。
今日は、一旦この3月で終えたこのプロジェクトがどんなものだったのかを説明したいと思います。

■「サンデーカンパニー」プロジェクト概要

何をやったか)

サンデーカンパニーとは、「大森山王ブルワリー」という地域のクラフトビールの企画販売会社の経営を地域の人たちとできないか?ということから、月2回の日曜日を利用し、会社の形をしたコミュニティを運営し、年間で成し遂げたいテーマを決め、1年間かけて、経営を一緒に行っていくコミュニティ的なプロジェクト。
1期を1年間として、3年、3期行いました。参加者は3年間で33人(途中離脱2人、2年連続の参加4人)。

参加者の割合)

男女比:ほぼ5:5
年代:2~30代 3割、40代 6割、50代 1割
属性:独立 1割未満、大手企業 7割くらい
すでにファンだった人2割位、知っていたけどという人が3割位、 残りは、noteなどの文章やシェアを通しての参加。  

仕組み)参加費、月額3000円を払い、ビールを飲みながら一緒に経営会議に参加できる権利。

サンデーカンパニーはビールを飲みながら考えるというスタイル

■具体的にどんなことをやってきたのか?

定期的に下記のような大きな命題を皆で考え、仮説を立て、各行動に起こしてきました。

例えば今年1月からは3期合同の拡大サンデーカンパニーというのを行い、下記のようなテーマで3ヶ月間話し合いました。

・すでに買ってくださっているお客様が、どうやったら、もっと我らの仲間や当事者となっていくのか?
・そのために、既存のお客様とどのような関係を作ることが必要なのか?
・そのために、どんな機能的価値や体験価値が必要なのか?

このように、正直言うと僕もなんとなくはこれが正解なんじゃないかなと思いつつ、正解が1つでないものを考えるようにしてきました。

答えが1つでないというのがとても大事だと考えていて、私が正解を持っていると正しい、正しくないの判断になってしまい、一方通行な関係になってしまい、議論が活性化しない。経営とは本来答えが1つでないものであるはずだから、僕はコミュニティと経営の相性の良さはここにあるんではないかと思うんです。

ともに考えるチームというのは、本来会社であれば当たり前であるはずですが、組織化された組織だと、なかなかそれができない。下手したら社長がどんなことを考え、何を成し遂げたいのか、それを上司を通して聞く時点で伝言ゲーム化してしまい、思いとは違ったものが届く可能性がある。

カンパニー(company)は、「com(共に)」と「panis(パンを食べる)」に仲間を表す「-y」がついた言葉で、もともとは「一緒にパンを食べる仲間」というのを聞きます。なので、コミュニティを運営するというのは、人間が同じ時間と空間を共にするというのがとても重要だと気づきました。そしてその間を埋めるのに、ビールは非常に相性が良い。

となると、ビールとコミュニティと経営は相性が良いってことになりますね。

終われば乾杯!議論は更に続く・・

と、そんな思考を通じて、この3年間で色々なことを成し遂げました。

その一部を紹介し、僕らにとってこのコミュニティがどれだけのことを成し遂げたのかを説明して、初回の投稿を終わります。

・店舗の企画開発〜運営

大森山王ブルワリーが運営する専門店である「Hi-Time」、日本全国のクラフトビールが楽しめる「Special End.」の2店舗を作りました。

このコミュニティのスタッフも店舗スタッフに関わることも多く、コロナ禍でイベントや飲食店への卸売ができない中で、売上の基盤を作ることができました。

・イベントの企画

コロナ禍〜コロナ後とイベントを自分たちで企画し、運営してきました。昨年までは2日間のイベントが中心でしたが、今年4月からは毎月大森駅前東口広場(イーストテラス)にてOMORI KAORU MARKET~with しばふひろば~を開催しています。

大森エリアのお店を十数店舗集めるだけでなく、子どもたちも楽しめるエリア(目的は大人たちにビール他を楽しんでもらうため)を作ったり、音楽のイベントを同時開催したり、どうやって楽しい時間を作るかを考え、JRさんや行政にも協力していただくイベントとなりました。

・サービス開発

コロナ禍で生ビールが楽しめない中で、グラウラーというビールを持ち運べる水筒の販売に力を入れておりましたが、買ったお客さんがもっとビールと移動を楽しめるようにとグラウラーについたQRコードを読み込むと、自分のいる位置に近いビールの量り売りをしているブルワリーがわかる「グラウラートラベラー」というサービスを作りました。
(サイトが不具合が見つかり、一旦停止中)

https://www.youtube.com/watch?v=piDKM6LukQQ

と、ビールにまつわる様々なことをしているのが、このサンデーカンパニーで、全てはここから生まれました。次回以降もう少し深く検証していきたいと思います。

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