事業は「絞り込み」が大事。新サービスを作る過程での学び。

2023年10月31日
全体に公開

事業やサービスを作る上で、お客さまに提供する価値やメッセージを「絞り込む」ことが極めて大事だと言われています。

絞り込むことで価値が明確になり、わかりやすくなることで、お客さまに届きます。

例えば、肩こりの悩みを抱える方がいたとします。ボディケアに関して幅広く解決策をもっているサービス事業者が「体の悩みをいろいろ解決できます。」というより、肩こり解消に特化したサービス事業者が「肩こり解消のプロです。あなたの肩こりの悩みを解決できます。」と伝える方が、肩こりに悩むお客さまにはシンプルに届きます。

そして、これは伝え方だけでなく、提供する価値を、特定の課題の解決に絞り込むことで、サービスそのものがその課題を解決するために最適化されていきます。

結果、その課題に悩む方にとって最も優れたサービスになっていくことが期待されます。

だからこそ、提供する価値やメッセージを絞り込むことが大事になるのだと思います。

かくゆう私も事業開発では試行錯誤の連続です。このたび、今年の4月から新サービスの開発を開始して、10月にサービス公開をしました。この7か月間の開発期間を「絞り込み」をテーマにして振り返りつつ、学びをシェアします。

Getty Images

ICC KYOTO 2023での一番の学びも「絞り込み」

新サービスの開発も後半戦の時期。2023年9月に京都で開催されたIndustry Co-Creation (ICC) サミット KYOTO 2023に参加しました。

 Industry Co-Creation (ICC) サミットは、「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回400名以上が登壇し、総勢1,000名以上が参加し、参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。

新サービスの骨格が完成しているものの、使っていただくお客さまへの訴求メッセージの「絞り込み」がまだ足りないとも感じている頃でした。

十分に絞り込みしてきたと考えているものの、伝えたい要素(価値だと感じていただけそうな要素)は複数あるので、それらをうまく伝えたい。そのような時期です。

ICCに参加する経営者の方々の声を聞いて、より一層の絞り込みをしていかねば!と思ったことを強烈に記憶しています。実際に影響を受けた登壇者のコメントを抜粋して紹介します。

登壇者のコメント抜粋:具体的な企業名やサービス名は伏せています

対象となるお客さまを怖いぐらいに絞った。訴求メッセージ・対象を絞って、それだけに特化した。訴求内容は機能面ではなく、お客さまが感じる便益に対するメッセージを徹底した。
ICC登壇者のコメント(筆者がエッセンスとして加工)
「オールインワンサービス」でうまくいかなかった。それを踏まえて「〇〇を解決します」と伝えて、お客さまが価値をピンとくるところまで〇〇の部分を絞った。
ICC登壇者のコメント(筆者がエッセンスとして加工)
業界調査で最も自社が優れている指標を統計データから発見。それをメインの訴求メッセージにしてテレビCMを放映して成功させた。
ICC登壇者のコメント(筆者がエッセンスとして加工)
運営面の絞り込み。事業成長に直結するKPI(重要業績評価指標)を特定して、シンプルにその指標だけを追求した。
ICC登壇者のコメント(筆者がエッセンスとして加工)
どういうお客さまにサービスを届けたいかを明確にして、その方に向けたサービスだけをやると決めた。
ICC登壇者のコメント(筆者がエッセンスとして加工)
全ての施策をLTV(顧客生涯価値)が高い顧客に向けて行なっている。「LTVが高い顧客は、〇〇のような特徴・好みがあるから〇〇という施策をする」の形式で全ての施策を整理している。
ICC登壇者のコメント(筆者がエッセンスとして加工)
複数業界の多くの事業成長を支援しているが、勝っているサービス(成功しているサービス・事業)は絞っている。
ICCのモデレーターのコメント(筆者がエッセンスとして加工)
Getty Images

先輩経営者たちのアドバイスも「とにかく尖れ」

また、身近な起業家・経営者や、社外取締役の方々など先輩経営者に相談した際も、共通する観点は「とにかく尖れ」というアドバイスでした。

お客さまに提供する価値を絞り込むことで、その価値やメッセージは鋭く・尖っていきます。その意味で「絞り込む」ことと「尖る」ことは同じ方向性を目指すアドバイスです。

例えば、文字をたくさん書いて説明を尽くすことで誤認のリスクを減少させることはできるかもしれませんが、文字だらけの文章を誰も読みたくはありません。

私たちの新サービス開発の現場でも、お客さまに誤解を与えないことに注意しながら、文字を極限まで減らすことを目指しました。文字を増やすのではなく、デザインも使って表現して、よりシンプルにわかりやすく、訴求メッセージを鋭く磨く作業をチームで行ないました。

Unsplash

提供価値を絞り込んだ「ほけんのダイエット」の完成

そして、完成したのが保険料が節約できるサービス「ほけんのダイエット」です。

最低限の保障と最安のネット保険を組み合わせることで、保険料の節約を実現する保険選びサービスです。

保険は将来のリスクに備えるものですが、備えを充実させると保険料が上がる関係にあります。将来のリスクは読み切れないので、どこまで備えるかの判断は難しいものです。

そこで、提供する価値を「節約」に絞り込みました。固定費を節約したいお客さまへ向けて、最低限の保障に絞り込んだ上で、保険料が最も安いネット保険を推奨するサービスとなったのです。

ほけんのダイエットは、家計の中の固定費の一つである保険料の節約ができる、LINEで完結する新サービスです。最低限の保障を備えながら、各社のお手頃なネット保険をお選びいただくことで、保険料の節約を実現します。30秒でできるカンタン節約診断から、自分に合った保険選びまで、全てLINEで完結するのでスマ―トフォンを使って、スキマ時間でご利用いただけます。

また、お客さまのペースではじめての保険選びや、保険の見直しができるように、ほけんのダイエットからお電話による営業は一切行いませんが、サポートが必要な場合は、LINEのチャットまたはLINEの電話を利用して、無料で質問し放題です。ご自分に合った保険を納得してお選びいただくことができます。

プレスリリース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000069919.html

【公式】ほけんのダイエット:
https://www.better-choice.com/hoken-diet

ほけんのダイエット:https://www.better-choice.com/hoken-diet

最後に

今回は「絞り込み」をテーマに、サービス開発をした経緯を振り返りました。2023年10月にサービスを開始したばかりで、事業としての成功の結果は出ていません。

ユーザーインタビューもしながらサービスとして改善させていきます。(以下は以前に書いたユーザーインタビューに関する記事です。)

今後、答え合わせのような振り返りもしていきたいと思いますので、ぜひ本トピックスのフォローお願いします!

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