iGEMで高校生チームJapan Unitedがグランドプライズ

2023年11月6日
全体に公開

iGEM(アイジェム)は、The International Genetically Engineered Machine competitionとして、毎年秋に開催され、学生(大学生、大学院生、高校生)が参加する世界最大の合成生物学の大会です。

iGEMでは、各チームが合成生物学を駆使して、新しい生物機能を創り出すプロジェクトを発表します。テーマは自由で、環境問題の解決や医療の進歩に役立つものから、アートに関するものまで、多岐にわたります。その目的は、合成生物学の教育と普及、そして合成生物学による社会課題の解決です。iGEMに参加することで、学生たちは合成生物学の基礎知識や技術を学び、社会に貢献するプロジェクトを実現する経験を積むことができます。

https://yomogy.com/igem/page/1

今年も11月2日から5日にかけてフランスのパリでJamboreeが開催されていました。2023年は、66ヵ国から、400のチーム、4300のプロジェクトが参加という発表になっています。

そして、「Japan-United」という高校生のチームが、グランドプライズという快挙を達成しました。

実は、このチーム、このNewsPicksトピック「合成生物学は新たな産業革命の鍵となるか?」の私もメンターとして微力ながら関わってきたチームです。

iGEMのハイスクールのカテゴリーは、2012年から毎年行われています。大学生、大学院生のチームも含めて、日本を拠点とするチームが「グランドプライズ」を獲得したのは、20年になるiGEMの歴史の中でも初めてのこととなります。

「Japan-United」の内容は、「Saffrocure:Innovative Approaches to Depression Treatment(うつ病治療の革新的アプローチ)」というもので、こちらで説明しています。

https://twitter.com/iGEM_Ninjas

世界では3億2千万人以上がうつ病に苦しんでおり、日本だけでも184億ドル以上の経済損失につながっている。治療法や薬は存在するものの、予防や日常的なメンタルヘルスケアには十分な重点が置かれていません。この問題に対処するため、私たちは日本で古くから栽培されている花、サフランを活用しています。サフランには3種類の抗うつ化合物が含まれており、私たちは大腸菌を用いた合成生物学的手法でこれを生産することを目指している。これらの化合物は手ごろな価格のクッキーに配合され、効果的なメンタルヘルスをサポートする。さらに私たちは、遺伝子操作生物に対する規制上の制約を克服する革新的なアプローチを開発した。大腸菌の染色体を破壊し、増殖を安全に停止させることに成功しました。この技術はほとんどの細菌に適用可能で、様々なiGEMプロジェクトに画期的なソリューションを提供している。

大学受験の準備や日本でのさまざまな制約といった活動上の課題もあるなかで、各地から集まった高校生たちでしたが、資金集め、研究、合成生物学の普及、更にはその実装の可能性まで自分たちで考えて達成しました。パリでの英語でのプレゼンテーションも素晴らしいものでした。

おめでとうございます。

日本の大学生のチームもメダルを獲得し頑張っています。

合成生物学は新たな産業革命の鍵となるか?」担当:山形方人

【Twitter】 https://twitter.com/yamagatm3

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