Z世代とお金の話をしてみた

2023年3月9日
全体に公開

お金のことについて学んでほしいと思い、株式会社マネネを創業したのが2018年。創業当時は金融教育と言っても怪しいと言われることも多かったのですが、2022年に高校の家庭科の授業の中で金融教育が行われると報じられたことで、昨今では金融教育に対する風当たりも弱くなってきました。

創業から5年が経ち、私なりに経済や投資など幅広くお金に関する情報を発信してきましたが、情報発信に利用しているtwitterやYouTubeなどのデータを解析してみると、30代の私の情報にリーチしてくれているのは主に50代以降の方がメインなようで、10代、20代はほとんどいなくて、かろうじて30代、40代の同年代の方がいる程度です。どうやって若い世代にも情報を届けようかな、と悩んでいた時に、NewsPicksさんから「Z世代の子たちとお金の話をしませんか?」と提案してもらいました。

真面目さを活かせない環境

 さっそくZ世代の若者たちとお金の話をしてみると、自分が大学生の頃を振り返るのが恥ずかしいぐらい真面目でした。平日は株式投資をやっているか、雀荘に入り浸っていて、土日は場外馬券場で時間を浪費しているような不良大学生とは違い、しっかりと将来に向けて「つみたてNISA」で資産運用をしていたり、海外との賃金を比較して就職先を国内だけでなく、国外も視野に入れて準備していたりするのです。

 もちろん、NewsPicksでインターンをしているという時点で、かなりのサンプルバイアスがかかっているのは理解していて、Z世代みんなが意識高く学生生活を送っているとは思いませんが、それでも別の機会にZ世代の若者と話したときも、同様にすごく真面目な印象を受けたので、そういう傾向にあるということは言えるのかもしれません。

 しかし、目の前の快楽に覚えることなく将来をしっかりと考えて行動しているものの、お金について出てくる質問の内容は基礎的なものが多かったという意外感もありました。これは偏にお金のことを学ぶ環境がなかったことによるものなのでしょう。興味もあって、真面目に学ぶ姿勢もあるのに、知識はついてこないのは明らかに学ぶ環境(機会)がなかったことによるものだと思うのです。

オジサンが抱く希望と反省

 前述の通り、日本でも少しずつお金のことを勉強しようという空気は醸成されてきました。Z世代の真面目さがあり、お金への関心の強さも考えれば、お金のことを学ぶ機会が増えていくことで、Z世代、そしてそれよりも若い世代の子たちは私たちの世代よりも遥かにお金の知識が圧倒的に高くなっていくでしょう。仕事上、日本経済の話をするなかで、ネガティブなことばかりを言いがちな私が珍しく希望を持てて嬉しいことです。

 しかし、一方で反省もあります。比較的自由な時間が多い大学生が、早くも将来に備えてお金の知識を身につけて、収入が多い職に就くために色々と動いたり、無駄な出費を控えて資産運用に回すという行動が本当に正しいのか、という疑問もあり、そもそも大学生に将来を悲観させるような経済環境を作ってしまったことは反省すべき点でもあるのかな、と思うのです。

 Z世代とあえて世代を区切ってしまいましたが、世代の壁を乗り越えて、日本国民が団結して再び日本経済を押し上げられるような行動をとっていくべきだと改めて想いを強くした1日でした。

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