番外編:優秀な人の「休み」の過ごし方
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今週・来週は、夏休みの方も多いのではないでしょうか。
「せっかく楽しみにしていた休暇も、ダラダラしてたらあっという間に終わってしまった」
「友だちや家族と旅行を楽しんだけど、疲労困憊で、次の日から仕事が山積みで憂鬱……」
といった経験をお持ちの人もいるはずです。
そこで今回は番外編として、長く人事に携わってきて、日本(グリコ)、ドイツ(SAP)、アメリカ(オラクル)で私が見てきた優秀な社員たちや、後々活躍していく優れたリーダーたちが、どんなふうに休みを過ごしていたか――。その秘密を探ってみたいと思います。
◇優秀な人ほど、実は休みの間も仕事をしている
よく「日本人は労働時間が長い」といわれます。確かに、全体の平均値をとれば、日本人は有給休暇の消化率が低く、欧米の先進国に比べて会社員の平均労働時間は長いです。
しかし、日本、ドイツ、アメリカ企業をそれぞれ見てきて思うのは、「本当のエリートは、どこの国でも、極めて長時間働いている」ということ。なぜなら、それだけ多くの責任を抱えていて、その人が判断しなければならないことが多いからです。
特にグローバル事業では、24時間ビジネスが動いていますし、今はビジネスの結果だけではなくプロセスも細かくモニタリングされるので、異常値が見つかれば常に確認や説明が求められます。
そうした事情もあるため、休暇中に一緒に食事やゴルフを楽しんでいるときでも、全員がメールやメッセージをときどきチェックして、仕事と休暇の垣根があまりありません。
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GoogleやAppleをはじめアメリカ企業の本社が福利厚生やオフィス設備に投資するのは、それだけ「長い時間集中して働けるように」という意味も含まれています。
ドイツにおいても、確かに有給休暇の付与日数も多いですし(標準が30日)、平均的な消化率はほぼ100%で、現場の人たちは長い休暇を取ります。
ですが、優秀で上にあがっていく人たちは、やはりよく働いています。そんな姿を間近で見ながら、「いったい、いつ寝ているのだろう?」と思うことが何度もありました。
◇優秀な人は、「熱中できる◯◯」でリフレッシュしている
そうなると休みの間でも、頭の片隅では常に仕事のことを考えることが当たり前になってきます。
私自身、休暇で旅行している最中に急にミーティングが入ることはしょっちゅうありましたし、「どうしてもこれだけ……」とメールに返信しはじめると、相手からも返ってきて止まらなくなったこともありました。
ただ、この状態がずっと続くとやはりストレスになりますし、どこか完全にリフレッシュできない状態になって疲れやすくなります。
では、優秀な人はどうしているのか――。私が見てきた経験からいうと、皆何かしら「短時間で完全に熱中できること」を持っていてリフレッシュしています。
ジムでワークアウトを行う経営者が多いのも同じ理由ですし、最近日本で流行しているサウナも同じような効果が期待できるかもしれません。もちろん、読書でもドラマでも構いませんし、中には掃除という人もいました。
いずれにせよ、すべてを忘れて集中できる何かを持っていることは、「高いパフォーマンスで長く働ける」条件といえるでしょう。
ちなみに、普段の仕事で左脳を使っているので、この「何か」は右脳を使うようなものや運動を伴うことがおすすめです。
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私の場合、”漫画を読む”ということで脳をリフレッシュさせます。仕事に集中したあと、30分ほど読むことで、本当に頭がスッキリします。絵がある分、直感的に読めて疲れにくいので、「読書だと疲れてしまう」という人にはおすすめです。
◇休み明けのパフォーマンスを最大化する「休暇中の3つの習慣」
休暇の最終日や日曜日の夕方は、みなさん憂鬱ですよね。そして、休み明けの朝はなかなか起きられなかったり、ボーッとした状態だったり、頭が回らなくてミスが多かったり……といったこともあると思います。
しかし、月曜日の朝には重要なミーティングが多く、1週間の目標を決めたり、溜まった仕事を急いで片付けないといけなかったりと、一番パフォーマンスを発揮しないといけないタイミングではないでしょうか。
優秀な人は、休み明けの朝に一番集中力を発揮できる状態をつくっています。
とはいえ、人間はそんなに簡単に切り替えられないですし、それは優秀な人も同じです。では、どうやって優秀な人は休み明けに最高の状態をつくっているのでしょうか。
3つだけ、ぜひ真似していただきたい習慣があります。
① 起床時間だけ、休暇中も仕事の日と同じにする
夜更かしはOKです。でも、いつもと同じ時間に起きてください。眠いときは昼寝で調整しましょう。休み明けの朝のストレスが本当に減ります。
② 毎日15分だけ、自分のキャリアの強みについて考える
いやな上司や仕事のことは考える必要はありません。「自分はどうやって成長したいか」「これから何を学びたいか」だけを考えてください。休みの間はリラックスして自分を客観視しやすいので、未来が少しずつ見えてスッキリします。
③ 休暇最終日に1時間だけ、仕事の準備をする
特に③はいやだなと思う方もいると思いますが、みんなが休んでいる間に、ほんの少しフライングするだけで、休み明けにものすごく大きな差が生まれます。
みんなが良い状態のときに大きな差を生むことは難しいものです。他の人のエンジンがかかってないときに、差をつくっていくほうが効率的です。
そして優秀な人は、「他の人との差」を効率よく生み出すことで、余計な挽回のための仕事をしないで済むようにして、自分の成長のために時間を使うので、より優秀になっていきます。
なによりこの3つの習慣ができるようになると、休暇最終日の憂鬱な気持ちは不思議となくなり、逆にストレスから解放されていきます。ぜひ試してみてください。
最後に、休暇中の時間の使い方の参考になる言葉を紹介します。
行動の最中には静寂を、そして休息においては活気を学ばなくてはならない。マハトマ・ガンジー
良いお休みを!
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