【東京AI祭特集】第2回:人と生成AI、共に創る明日への一歩

2024年4月4日
全体に公開

こちらのトピックス“生成AI最前線「IKIGAI lab.」”は、学び合うことを目的としたオンラインビジネスコミュニティ「OUTPUT CAMP meets AI」のメンバーで運営しています。

私、伊藤は普段、生成AIの導入・活用支援を行い、親子向けの生成AI体験イベントを開催しています。生成AIの情報を常にキャッチアップし、新しいツールに興味があれば実際に使ってみるのが私のスタイルです。

今回は足も動かして東京AI祭の前日の様子を取材しました。

前回の記事はこちら。

東京AI祭とは

東京AI祭は去る2024年3月23日から24日にかけて開催された日本最大級の生成AIの祭典です。ハッカソンや画像生成のグランプリ、各企業の展示出展など見ごたえたっぷりの2日間でした。

私、伊藤はその中で28社の出展ブースに注目し、実に9割ほどの出展社の皆さまにお話を伺う事ができましたので、写真付きで解説をしていきます。

記事の最後に出展社のリストをまとめたNotionを公開しています。皆様の生成AIライフの一助になるかもしれませんので、ぜひご覧になってください。

第2回、第3回は4Fにある展示ブースのうち、取材できた所のみを2回に分けてご紹介させていただきます。

株式会社APTO

課題設定からプロジェクトの全体設計まで、 AI実装をサポートをしてくれます。

今回、APTOさんは「harBest」を紹介していました。

AIをより高性能にするために必要なデータ収集やアノテーションをサポートしてくれる「harBest」ですが、私が特に興味を持ったのは地図データを活用した競合のデータ分析やラベリングをする部分になります。

マップを活用したデータを収集すること、POIレイヤーに対して各情報を割り当てすることの大変さを痛感しているので、その作業をやっていただけることにとても興味を持ちました。

あと、個人的にはマップとAIは大きな可能性を感じており、そういった部分も含めてとても興味深かったです。

株式会社EraX

AIの力で巨大産業をDXします。当社の最先端AIテクノロジーとデータ解析力を活用し、お客様の事業プロセス改革を強力に支援します。AIによる自動化で業務効率を飛躍的に向上させ、コスト削減を実現。さらに新たなビジネスモデルの創出など、革新的なAIソリューションで、未来の産業をリードします。

セキュアな生成AI環境の受託開発をしているEraXさん。Azure OPEN AI Serviceを用いて受託開発ができるとのことです。

企業がセキュアな環境で安心してChat GPTを使用でき、独自のデータセットを活用できます。

1. 高度なセキュリティとプライバシー

企業が機密性の高いデータやプライバシーに敏感な情報を扱う際にも、厳格なセキュリティ基準とプライバシー保護措置によって安心して使用できます。

2.カスタマイズされたAIモデルのトレーニングとデプロイメント

独自のデータセットを用いてカスタムAIモデルのトレーニングが可能です。これにより、一般的なモデルでは得られない、特定のビジネスニーズに特化した解決策を開発できます。企業独自の言語、業界特有の用語、特定のスタイルを理解するモデルの開発が可能になります。

3. データソブリンティとコンプライアンス

特定の地域や業界に適用されるデータ保護規制やコンプライアンス要件を満たしながら、データソブリンティの要件に応じて、特定の地域内でデータを保持・処理することが可能です。

4.統合された開発と運用環境

 Azureの他のサービスとの統合により、AIモデルの開発からデプロイメント、監視、スケーリングまで、一貫したワークフローでAIソリューションを管理できます。これにより、開発の効率化と運用の簡素化が可能になります。

5.透明性とコントロール

AIの利用に関する透明性とコントロールを保持できます。データの使用方法、モデルのトレーニングプロセス、デプロイメントの設定など、すべてにおいて高いレベルの可視性と制御が可能です。

企業が直面するセキュリティとプライバシーの課題に対処し、同時にビジネス固有のニーズに合わせてカスタマイズされたAIソリューションを迅速に開発・導入する能力を強化できる点がAzure OPEN AI Serviceのいいところです。

しかし、Azure人材はまだまだ少なく、EraXさんは希少な技術力を持っていると言えます。

COLOR≡CREATIVE

U29の若者たちで構成された自他の自己実現を加速させるエキスパート集団です。

自分達の創りたい全てのものを形にし、 社会をワクワクさせる価値を届けるクリエイター集団で、エンタメ・テック・デザインなどメンバーそれぞれの専門性を活かして、 個人・企業・行政を巻き込みながら活動しています。

行政の公式キャラクターの予算どりから企画・プロデュース・運用 ・エンジニアの教育、案件獲得、自走までのサポート&キャリア形成支援・宇宙開発事業に関わるクリエイティブのデザイン・監修など、幅広く活動をしています。

https://colorcreative.super.site/

地方自治体のPR事業としてVtuberのプロデュースをされていたり、仙台うちゅう

博のクリエイティブを統括されていたりする華々しい実績の団体です。

個人的に興味を持ったのは製造業に対して「デザイン思考×新規事業」の社内研修を担当された実績があることです。

生成AIの文脈で私もデザイン思考について、ワークショップなどで話す機会があるため、その点に踏み込める点に感心しました。

生成AI以外の活動も展開しているのでエンタメやテクノロジー、クリエイティブなど多方面に強い団体です。

株式会社巫

登録者5万人越え心霊Youtuber「おもいでのレモネード屋さん」が作った全く新しい恐怖のカードゲームを制作しています。「日本の怪談をカードにして遊べたら楽しそう」との思いから生成AIを用いてトレーディングカードを作ったとのことです。

https://twitter.com/kannagicb

遠目から見てもホラー感がバシバシ伝わってくる雰囲気がありました。ところが巫(かんなぎ)さんの代表の日山さんは話しかけると物腰柔らかく、とても話しやすい方でした。

カードの中身も一部見せていただきましたが、「あの妖怪だ!」などとすぐわかるような特徴を抑えているクオリティの高いカードでした。

ゲームシステム自体は小学生も理解できるシンプルな内容とのことです。

ぜひカードを引くたびにびっくりしてしまいそうなカードゲームを試してみてはいかがでしょうか。

株式会社こんにちハロー

最新動画生成AI 「HeyGen」 × 「東大生」日本語の動画を他言語に翻訳するサービス。 『世界への架け橋、あなたの声で』をコンセプトに世界への発信をサポートします。 誰でもネイティブに見えてしまう衝撃の動画を是非ご覧下さい!

初めてお会いした時はお2人だけいらっしゃいました。

実際に他言語に変換された動画を拝見すると、驚くほどに自然で感情に富んだ音声で再現ができています。コメディを英語に変換している映像は、AIと人力で制作したとは思えないほど自然な会話になっていました。

しかも料金もリーズナブルです。

実は「こんにちハロー」さんは私個人的に心にグッと来た企業です。

早見星吾さんが立ち上げたスタートアップ企業ですが、今回の東京AI祭では、代表の早見星吾さんのご家族が総出で「こんにちハロー」さんのご案内をしていたことです。

星吾さんが家族にも理解してもらえるように説明をされて、内容に共感して家族全員が盛り上げている姿は感動しました。

お父様がメンターもされているそうです。

スタートアップはその事業が世界を変えるかもしれない企業です。身内が世界を変えるかもしれない企業を立ち上げたのであれば、親としては成功できるように全力で応援したくなります。

東京AI祭で家族愛が見られるのが嬉しい誤算で、とても印象に残りました。

時間をおいて、ご家族が揃ったタイミングで撮影させていただきました。

家族全員の記憶に残る写真を撮影させていただいたことは撮影者冥利に尽きます。

Zaimo株式会社

Zaimo.aiを使えば、事業計画の作成や経営管理を簡単にできるようになります。プロレベルのエクセル事業計画を誰でも作成できるので、経営改善、経営管理におすすめです。

RPAや様々なツールがあるなかでエクセルに焦点を当て、生成AIも掛け合わせて更に経営改善や効率化を促進できるサービスを展開しているのが印象的でした。

終了間際にお声がけさせていただいたにも関わらず丁寧に対応してくださりまして大変うれしかったです。ありがとうございます。

Zaimo.ai内で事業計画を作成して、そのままエクセルで使えるデータ形式にすることができるのも嬉しいポイントです。得意分野は以下の通りです。

・売上予測: AIが過去のデータを分析し、将来の売上を予測する・在庫管理: 需要予測に基づいて最適な在庫水準を提案する・経費管理: 経費の傾向を分析し、無駄な支出を発見する・資金繰り: 売上と支出のバランスを把握し、資金繰りを最適化する

株式会社Highsto

Hi!story(ハイストリー)略して「ハイスト」は、仮想世界をAIと人類が分かち合う未来でAIとなって復活した歴史上の人物を駆使して戦う、新感覚の1対1対戦型歴史カードゲームです。

ハイストリーの面白い点はカードゲームで歴史が学べる点です。

歴史の勉強は歴史上の人物との相関性がわかると理解度が高まります。

その理解度が高まる瞬間をゲームを通じて体験できるのが、素晴らしいと思います。

個人的には、「岡崎・徳川家康」と「平安・鎌倉VS幕末・明治」が気になります。

「岡崎・徳川家康」は地元の愛知がテーマになっている点が、「平安・鎌倉VS幕末・明治」については源平合戦の人物がどれだけ出てくるのかという点が興味深いです。

カードで登場する人物はこちらから確認できます。

個人的に平安時代の推しは平重盛、平敦盛と熊谷次郎直実です。

幕末の推しは、鍋島閑叟と田中久重、葛飾北斎です。余談ですが、田中久重が制作した「万年時計」がほんとうに素晴らしいので是非調べてみて下さい。

このプロダクトのキャラクターは、を画像生成AIを用いて制作されました。

私も画像生成を重用しているので、凄く共感したことがあります。

それが「なかなか画像がイメージ通りにならないと何時間もかかることがあった」と仰っていました。

すごく共感できるポイントで、うまくいく時はすんなりできるのですが、微妙にイメージが違うと良い感じになったとしても選ぶのは至難の業です。

またカードゲームの商品ですので1枚につき1枚の画像になるので厳選する必要があり、相当の苦労があったといいます。

株式会社Passionate Genius.

架電に特化したAIオペレーションサービスを開発。1コールから顧客満足度を最大化するために、自然会話を重視した対話システムを提供します。コールセンター業務の自動化により、コスト削減と高品質なカスタマーエクスペリエンスを実現します。

ChatGPTの企業の活用が注目されてずいぶん時間が経ちました。テキスト生成の文脈で活用事例はよく聞きますが、音声対応の話はあまり聞きません。

nocall.aiのAI電話オペレーターを実際に体験してみて、その自然な対話を体験できました。

言葉の選び方やイントネーションなど、全く違和感は感じられません。淡々とした口調ながら、スムーズで聞き取りやすい会話を展開してくれました。

さらに、電話の中でAIが自動でスケジュール調整までしてくれたのには便利さを感じ、付加価値の高さに感心しました。AI電話オペレーターは、人件費をかけずに電話対応を24時間してくれるのでとても便利だと感じました。

まとめとオマケ

今回は、東京AI祭のレポート第2回をお送りしました。次回も4Fフロアで出展されていたブースにフォーカスします。

そして、Notionに東京AI祭の出展された皆さまをまとめました。ぜひご確認ください。要チェックです!!

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インプレスのThink ITで生成AIの連載スタート!

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この度、株式会社インプレスのThink ITでIKIGAI lab.コミュニティメンバーが「Gen AI Times」という生成AIニュースを連載することとなりました。

半歩先の未来をエスコートするというコンセプトのもと、AI・生成 AIに関するニュースや実践から得られたノウハウを提供いたします。本トピックスメンバーとは異なるIKIGAI lab. コミュニティメンバー8名が記事を執筆いたしますので、私たちとは違った切り口や生成AIの活用方法を味わっていただけたら幸いです。

応援ありがとうございます!
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