2024/1/6

【追悼・山崎 元】「正義の経済評論家」がNewsPicksに語った全記事

経済評論家の山崎元さんが1月1日、食道がんのため都内の自宅で亡くなりました。65歳でした。
1958年、北海道旭川市生まれ。東京大学経済学部を卒業後、三菱商事に入社。その後は野村証券投資信託委託、住友信託、メリルリンチ証券、山一證券など金融業界で12回の転職を経て、楽天証券経済研究所客員研究員を務めました。
山崎さんは、「手数料が高すぎる投資商品は買ってはいけない」「生命保険は不要」など、辛口ながら愛あふれる語り口で各メディアや執筆活動で活躍しました。
自らのモットーを「正義の愉快犯でありたい」とユーモアを交えて表現し、一貫して個人投資家の側に立ち、資産運用のための正しい金融知識の解説に尽力されました。
NewsPicksも立ち上げ当初からお世話になりました。
2015年3月にプロピッカー制度を始めた時には初代プロピッカーの一人になっていただき、多数の記事や動画番組に出演いただきました。
ここで山崎さんにご協力いただいた記事を振り返るとともに、NewsPicks編集部一同、心よりご冥福をお祈りいたします。
INDEX
  • がんになってからも積極発信
  • 徹底したユーザー視点
  • オルカン一択でいい
  • 「持ち家 vs 賃貸」も明快
  • 保存版:NewsPicksでの全記事

がんになってからも積極発信

山崎さんの食道がんが判明したのは、2022年8月。同年10月に食道の大半を切除する外科手術を受けました。
がんを公表したのは、2023年1月。3月にはがんの再発が判明するものの、精力的に情報発信を行い、自らの闘病体験をもとに「がん保険は不要」とブレない「ヤマゲン節」の解説を続けられました。
NewsPicksでは、10月に全5回のインタビュー記事で登場し、お金の本質論を語っていただきました。
また、11月には、堀江貴文氏がNewsPicksで注目を集めたニュースを深掘りする「HORIE ONE」にも出演され、がん保険不要論を含めて熱弁しました。

徹底したユーザー視点

山崎さんは、一貫して個人投資家の側に立っていました。
「投資信託の99%はゴミ」と一刀両断するなど、徹底したユーザー視点で金融知識の情報発信、解説を続けていました。

オルカン一択でいい

ゴミではない残りの1%としてよく紹介していたのは、全世界株式(オールカントリー)のインデックスファンドです。いわゆる「オルカン」です。
具体的な銘柄としては、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や、ニッセイアセットマネジメントの「ニッセイ外国株式インデックスファンド」を挙げていました。
NewsPicksの番組「THE UPDATE」では、全世界株式のインデックスファンドとS&P500のインデックスファンドを「(100点満点中)90点台と80点台前半の差がある」と表現していました。

「持ち家 vs 賃貸」も明快

NewsPicks編集部は、山崎さんに「持ち家 vs 賃貸」論をぶつけたこともありました。
その答えも明快で、「『家を買うのが当たり前だ』というような刷り込みがあるとすれば、それは一度疑った方がいい」といい、地位財の競争に乗るなと説いてくださいました。
地位財とは、自分の所得や財産などの経済的な地位、社会的な地位など、ポジションを周囲と比較することで満足を得られる財です。家だけでなく、自動車や腕時計も地位財です。

地位財の恐ろしいところは、他人との競争に陥ってしまう点です。

(中略)

不動産なのか、ファッションなのか、自動車なのか、何でもいいのですが、「地位財の競争から意図的に降りる」という決断をすると生活が自由になります。

保存版:NewsPicksでの全記事

2018〜2021年
2016〜2017年
編集部の記者たちにも、時に厳しく、温かく、接していただき、たくさん学ばせていただきました。
本当にありがとうございました。