【保存版】激動の2023年、生成AI元年を振り返る(後編)

2023年12月24日
全体に公開

こちらのトピックス“生成AI最前線「IKIGAIlab.」”は、学び合うことを目的としたオンラインビジネスコミュニティ「OUTPUTCAMP meets AI」のメンバーで運営しています。

本記事は、昨日掲載した「【保存版】激動の2023年、生成AIの総復習(前編)」の続きとなります。

まだ前編を読んでいない方は、ぜひそちらを先にご覧ください。

2023年の後半の生成AIの動きを振り返っていきましょう。

✅2023年6月

人間かAIか。AI美女の進化がスゴイ!

2022年ChatGPTが登場する前にAI関連で話題になっていたのが、2022年7月にローンチされた画像生成AIの「Midjourney」です。

自然言語で画像が生成できる最先端のテクノロジーは、Xを中心に話題を集めました。

その後、2022年8月に英StabilityAI社による「Stable Diffusion」が投入され、続々と画像生成AIサービスがリリースされました。

この頃、TikTokではAIで生成された19歳港区女子アカウントの動画が、公開からわずか数日で100万回以上再生されました。「多くのユーザーが人間と区別がついていないのでは」と話題を集めました。

LINEで画像生成できる「AIイラストくん」も正式にリリース。

友達追加して、テキストで生成したいイラストの説明を入力するだけで、簡単にイラストを作成できます。LINEで気軽に生成できることもあり、リリースから約1か月で生成枚数は140万件を突破しました。

画像生成AIは、「生成AIで作成したことを明示すべきか」など、普及のハードルとなる著作権や倫理的な課題も多く、2024年は議論が加速していく分野になりそうです。

✅2023年7月

ChatGPTの新機能「Code Interpreter」の登場で激震が走る!

OpenAIはこの1年でどこまで進化する気なのか、、Code Interpreterの登場でそう感じたChatGPTユーザーは少なくなかったはずです。

OpenAIは、有料版の「ChatGPT Plus」ユーザー向けに「Code Interpreter」のベータ版を提供開始

Code InterpreterはアップロードしたCSVPDFファイルのデータを解釈し、データの分析グラフの作成などにも応用できる機能です。

今までは言葉を生成するだけだったので、文章を扱う仕事に使えるツールと認識されていましたが、Code Interpreterによって活用の幅が格段に広がりました。

データを読み取ることが可能でグラフも作成できる。それが誰でもチャットで指示するだけで可能になる。この進化には私も衝撃を受けて、夜な夜なChatGPTにデータ分析をさせていました。

今は、Code InterpreterはGPT-4のデフォルト機能に組み込まれているため、独立した機能にはなっていませんが、有料版のChatGPT Plusのユーザーは誰でも利用可能です。

まだ使いこなせていない方は、この記事をチェックしてみて下さい。

✅2023年8月

行政や企業でのChatGPT活用が広がる

8月は行政企業のAI活用の流れが加速していくニュースが多く発表されました。

  • デジタル庁「ChatGPTを業務に組み込むための手引き」を公開
  • 東京都「文章生成AI利活用ガイドライン」を公開
  • OpenAI がChatGPT Enterprise開始
  • 楽天グループ、OpenAIと協業を発表

✅2023年9月

GAFAMのAI合戦が本格化!ChatGPTの進化も止まらない

https://the-owner.jp/archives/9332

2023年はOpenAIの1人勝ちで幕を閉じると見られていた中で、GAFAMがAI合戦に猛攻し、各社がAI関連のリリースを出してきました。

  • GoogleBardをGメール、Googleドキュメント、YouTubeをはじめとするGoogleサービスと連携する計画を発表
  • Amazon:AIスタートアップ・アンソロピックに最大40億ドル(約5900億円)を投資
  • Meta:AIアシスタント「Meta AI」を発表。「WhatsApp」、「Messenger」、「Instagram」でベータ版で提供開始
  • Microsoft:生成AIを統合した新Office「Microsoft 365 Copilot」を11月1日からエンタープライズ向けに公開すると発表

OpenAIも負けず劣らず、続々と新機能をリリースしました。

9月20日、テキストから画像を生成するAIツールの次期バージョン「DALL・E 3」を発表(10月から、ChatGPT内でも利用可能に)

9月25日、ChatGPTが"と""を持つようになり、マルチモーダルAIが実装

AIが写真スクリーンショットなどを読み取ることでできるようになりました。例えば、冷蔵庫の中身の写真をChatGPTに送って、レシピを提案してもらうことが可能です。

AIが日本語でも自然で滑らかに話せるようになるのはまだ先だと思われていましたが、ChatGPTのリリースから1年経たずに実現されました。

OpenAIの音声認識システム「Whisper」を使用して、ChatGPTが音声での会話が可能になりました。

ドラえもんとのび太君が話すようにAIと人間が会話できる未来は、もう実現されています。

✅2023年10月

まだChatGPTを使ってない人は「人生を悔い改めた方がいい」孫正義氏が語る

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/04/news175.html

今年のAI関連の流行語を決めるとしたら、孫正義氏の言葉が間違いなくノミネートされるでしょう。

10月4日の「Softbank World」基調講演での、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長・孫正義氏の発言が大きな話題を集めました。

会場で「ChatGPTを毎日使っている人は?」と孫氏が投げかけると、挙手したのはたった1割ほど。これに孫氏は「手を挙げなかった人は人生を悔い改めた方がいい」と発言。

人口知能が進化した10年後には人間の知能を遥かに上回る知能を持つことになり、その差は人間と金魚くらいの差になると表現しました。そのうえで、聴講者に対して「金魚になりたいか、なりたくないか」と問いかけました。

この発言を大げさだと捉える人もいると思いますが、危機感を煽るという意味ではインパクトがある発言になったのではないでしょうか。

✅2023年11月

怒涛の1か月、タイムラインがOpenAI一色に染まる

(出典:Open AI 報道発表)

11月7日、OpenAIが開発者向けカンファレンス「OpenAI DevDay」を開催しました。

ChatGPTのAPIアップデート(マルチモーダルに対応など)や自然言語で誰でも自分だけのChatGPTが作れる「GPTs」がリリースされ、話題になりました。

▼アップデート内容の詳細はこちら

2023年のOpenAI関連のBIGニュースは、全て出尽くしたと思われた最中に事件が起きました。

11月17日、OpenAIの創業者でありCEOのサム・アルトマン退任するというニュースに世界中が震撼しました。

いわゆる“クーデター”となったこの一件は、サム・アルトマンがMicrosoftに移籍するなどの動きもありましたが、最終的にはサム・アルトマンがCEOに復帰することで収束しました。


無事にサム・アルトマンがCEOに復帰した直後の11月30日に、ChatGPTは1周年を迎えました。

✅2023年12月

GoogleがGPT-4超えの最新AI「Gemini」を発表

https://japan.googleblog.com/2023/12/gemini.html

GoogleがOpenAIのGPT-4に対抗するための最新AIモデル「Gemini」を発表しました。

同社が明らかにしたベンチマーク結果では、「Gemini Ultra」の能力は、GPT-4を超えるスコアが示されています。ChatGPT同様にマルチモーダルのAIで画像や音声などを扱えます。

Googleの最新スマートフォンPixel 8 Proでも「Gemini Nano」が搭載され、録音アプリでその内容の要約を作成できるようになるなどの機能が搭載されています。

「ChatGPT超えか」と話題を呼ぶリリースでしたが、デモ動画がやらせ疑惑が浮上し、賛否両論を巻き起こしました。

OpenAIは12月14日に停止していたChatGPTPlusの新規登録を再開しました。11月の「GPTs」リリースで利用者が急増したことを受けて停止していました。

✅2024年は…

2023年は生成AI元年として、まさに激動の1年でした。

ただ、この変化は始まりに過ぎません。インターネットの黎明期、スマートフォンの誕生に匹敵する(もしくはそれ以上)程の大きな変化が、この数年で起きると予想されます。

OpenAIは汎用人工知能(AGI)を目指しています。ChatGPTはその第一歩であり、来年は今年以上の進化が期待されます。

OpenAI以外にも、GAFAMを始めとするテック企業やスタートアップでも、生成AIで業界を覆す革新的な技術やサービスが続々と出てくることが考えられます。

2024年も、生成AIの動向から目が離せません。

今年、最も衝撃だった生成AIの出来事、ChatGPTに触れたきっかけなど、コメント欄でお待ちしています!

サムネイル画像:DALL·E 3で画像生成

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