SMBC ART HQ / ANNEX「THE HINTS 今と未来を見つめる12の視点」

2023年12月11日
全体に公開

会場:三井住友銀行東館1階 アース・ガーデン

会期:2023/12/12~12/23

いつもは広いスペースの三井住友銀行本店東館の一階ですが、

アートだらけになっています

会場風景

第1章「変化の波とアイデンティティ」

左 江上越「すれ違いの誘惑」右2点 新井碧「silhoutette #草むら6」「silhoutette #blooming」
川内理香子「babies」「open your eyes」「totem」「palm trees」
川内理香子「babies」

第2章「社会の現状とアクション」

松下真理子 右から「彼女は消えつつ存在し」「炉、小さなベッド」「逆さになる人」
左2点岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー」 右 松下真理子「何も持たない人」

第3章「日本のアートと文化の未来像」

品川亮「梅図」「白椿」
品川亮「梅図」
桑田卓郎「Untitled」
桑田卓郎「Untitled」
桑田卓郎「手付垸 Bowl with Handle」
桑田卓郎「茶垸 Tea bowl」
舘鼻則孝「Hairpin Series」
舘鼻則孝「Descending Painting Series」
舘鼻則孝「Baby Heel-less Shoes」「Heel-less Shoes」
舘鼻則孝「Baby Heel-less Shoes」「Heel-less Shoes」
舘鼻則孝「Floating World Series」
三島喜美代「Newspaper 18-1」「Box Postbox 20」

第4章「未来への願いと可能性」

大山エンリコイサム「FFIGURATI」
大山エンリコイサム「FFIGURATI」
大山エンリコイサム「FFIGURATI」
名和晃平「Direction#252」「PixCell-Biwa#2(Mica)」
鬼頭健吾「ActiveGalaxy」

本企画には若手支援の意味が込められているようです

経済規模に対して、アート市場の規模が小さいと言われている日本のアート市場。2021年の世界のアート市場で、日本は「その他」の8%に含まれる状態で、約43%のアメリカ、約20%の中国、約17%の英国と比較して大きな差があります。(※1)また、世界のトップコレクターとみなされている日本人も限られており、アメリカのアート雑誌「ARTnews」によると、TOP 200 COLLECTORS(2022年7月時点)に選ばれた日本人コレクターはわずか3名しかいません。このため、日本人アーティストが国内で活躍することは難しく、特に若手作家は生活することも厳しくなっているのが現実です。
出所:株式会社THE ARTプレスリリース 2023年11月21日

プレスリリースで指摘されている「2021年の世界のアート市場で、日本は「その他」の8%に含まれる状態」の元データはこちらになります

出所:「The Art Market 2022」An Art Basel & UBS Report 2022

ちなみに2023年版では韓国と一緒にOtherから抜け出して1%に!

出所:「The Art Market 2023」An Art Basel & UBS Report 2023

アジアにおける国際アートフェアはFrieze(フリーズ)とKiaf(キアフ)共に日本ではなくソウルで開催されていますが、産業として自律できるアートマーケットを育てるには何が必要なのでしょうか。

直近ではArt Baselと提携したアートウィーク東京や東京現代(共にSMBCさんのスポンサー)が大規模なフェアを開催しています。

アートウィーク東京

東京現代 Presented by SMBC

日本は国際アートフェアを学ぶ段階にあるのかもしれませんが、文化庁が外部委託して公表するレポートには産業化の観点が致命的に欠けており、欧米をお手本に富裕層の購買力を当てにする施策では限界があります。

以下調査によると日本では富裕層の分布からも欧米のやり方をそのまま真似ても上手くいかなそうです

出所:野村総合研究所「日本の富裕層の特殊性」金融ITフォーカス 2023年12月号 
超富裕層に富が集中している世界のWM市場では、ファミリーオフィスのような特定の顧客向けのカスタマイズサービスが成立しうる。一方、日本の富裕層は金融資産5億円未満が7割となっており、金融機関各社は効率的な対応を求められることから、ある程度標準化されたパターンメイド型のサービス提供が中心となる。
出所:野村総合研究所「日本の富裕層の特殊性」金融ITフォーカス 2023年12月号 

作家にお金を落としながら大型作品を制作する機会を提供し、海外でも評価される作家を育てる方策を引き続き議論していく必要がありそうです。

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