【挑戦者たち】出演後、すぐに資金調達した男

2018/4/15
4月1日の配信で多くの反響を呼んだ、新時代の起業リアリティショー「メイクマネー 起業家グランプリ2018」。賞金1000万円をかけた戦いを終えた挑戦者たちのインタビューをお届けします。
「メイクマネー」の視聴はこちら(プレミアム会員への登録が必要です)
筋肉とアニメーション
ひときわ異彩を放つ男の登場に会場はどよめいた。
見事なまでにバルクアップ(筋肥大)された大胸筋に、がっしりとした首回り。
ピンと伸ばした背筋が立ち姿を美しく見せる。
彼がプレゼンしたのは、意外にもアニメだった。
岡崎秀哉は、筋骨隆々とした仲間を引き連れてプレゼンに挑んだ。
トレーナーが栄養学や生理学、解剖学などの知識を動画で効率的に学べるアニメーションコンテンツ。
基礎代謝のメカニズムなど、動的なものを動的なまま学べることをアピールした。
岡崎秀哉(おかざき・ひでや)。鹿児島県生まれ。鹿屋体育大学時代、セパタクローの学生日本代表として活躍。大学卒業後にフィットネス業界へ。2015年7月にフィットネスジム「SHAREZ」を立ち上げ。
フィットネス業界が抱える課題
──アイデアの発想はご自身の経験から?
大学卒業後、総合型フィットネスクラブ(プール、ジム、スタジオ、風呂の4点が揃ったジム)を運営するベンチャーに在籍していました。
こうした形態のジムでは、お客様に対して平等にサービスを提供します。
でも、お客様一人ひとりの体の作りや骨格は違うので、画一的なサービスを提供することに疑問を感じていました。
──トレーナーも多様化する必要があると。
お客様の要望が多様化していくのであれば、トレーナーも知識をアップデートしなければなりません。
例えば、ダイエットを目的にジムに通い始めたお客様が、ある日、筋肉をつけたいとおっしゃることもあります。
そのトレーナーは、筋肉が肥大する仕組みを理解しなければならない。
こんな時、アニメーションで効率的に学べれば、すぐにお客様に最適なメニューが提供できます。
基礎代謝のメカニズムを解説するアニメーション(試作段階)
──BtoBビジネスなんですよね?
まずはBtoBで、トレーナーを多く抱える企業などをターゲットに想定しています。
ただ「B」だけではなく、その先の「C」も狙っています。
古坂さんや前田さんがおっしゃったように、最近増えている「健康オタク」と呼ばれる人や、ジュニアアスリートを抱える親世代にも需要はあると見ています。
配信では「マッチョ三兄弟」の愛称で親しまれた岡崎の応援団。
優勝はできないだろう
──岡崎さんのプレゼンは大きな波乱もなく、比較的平和でしたね。
本番前にプレゼンのリハーサルを繰り返したり、自分のアイデアを周囲の人に説明するなど、徹底的にトレーニングして臨みました。
だから、審査員からの質問もほとんどが想定内のものでした。
──となると、優勝への手応えも感じていたのでは?
実は、優勝はできないだろうと諦めていたんです。
応募した時から、目標はファイナル進出に設定していましたから。
「メイクマネー」の挑戦者たち
──なぜ優勝できないと?
テクノロジーと事業スケールの不足です。
優勝した「エンコードリング」のように、目覚ましいテクノロジーを使っているわけでもないし、事業スケールも他の挑戦者と比べても小さかったので。
ただ、優勝はできなかったけど、番組に出演したことで大きな成果が得られました。
「メイクマネー」出演の成果
──その成果とは?
番組の配信後に、エンジェル投資家2名から出資を受けることが決まりました。
「メイクマネー」に出演したことが決め手になったようです。プロモーション効果は絶大でしたね。
それに、今回の番組出演で僕のビジネスにおける課題が、これまで以上にはっきりと認識できたことも成果の一つです。
コストとクオリティー
──それはやはり、古坂大魔王さんが最後におっしゃっていた…
はい。アニメーションのクオリティ、この一点に尽きますね。
日本で1分間のアニメーションを作ろうとすると、コストは30万円から50万円程度かかります。1本あたり50万円で300本を制作すれば、それだけで1億5000万円のコストです。
制作コストを抑えながら、アニメーションのクオリティーを上げていくことが最優先課題です。今後、動画が伸びていくのは間違いないので、急いで目処をつけたいと思っています。
度胸と覚悟が磨かれる場所
──「メイクマネー」は岡崎さんにとって、どんな番組でしたか。
通常のピッチコンテストはクローズドなものが中心です。
一方で「メイクマネー」はプレゼンの過程と結果がすべてオープンに配信され、プレゼンの詰めが甘ければ、審査員からダメ出しを受けているところが晒される。
僕は常々、起業家に必要なのは「度胸と覚悟」だと考えていて、「メイクマネー」はまさにこの2つが磨かれる場所だと思います。
──次回以降の「メイクマネー」に挑戦を考えている人にアドバイスを。
あの場所に立ってプレゼンできる時間は、思った以上に短いです。
だからこそ、挑戦する前に、自分のアイデアを周囲の知人や友人にしっかりと言語化して伝えて、フィードバックをもらう。
このサイクルをできる限り繰り返してから、本番に臨むことをオススメします。
スポーツの概念をアップデートしたい
──課題も明確だし、資金調達もできた。これからが楽しみですね。
現代の日本におけるスポーツは「体育」や「部活」など、教育的な観点からまだ脱却できていないと思います。
体を鍛えることってメンタリティやセルフコントロールに有効ですし、フィットネスも含めたスポーツは、ビジネスとして無限の可能性を秘めています。
だからこそ僕はスポーツに対する日本人の概念を、このビジネスを通じてアップデートしていきたいと思います。
「メイクマネー」挑戦者へのインタビューは、次回は4月21日(土)を予定しています。
<取材:安岡大輔、デザイン:片山亜弥、写真撮影:鈴木大喜>