糸井重里が語る、生きること、働くこと

2017/8/19
白いカーネーション
ものごころがつく前に母親が家を出たんです。当時の田舎だと父子家庭は珍しかった。
小学校で、母の日に「みんなお母さんにカーネーションを渡しましょう」と赤いカーネーションが配られるわけです。
母親がいない子どもたちには、白いカーネーションが配られる──。
ふすまの向こうの家族会議
ぼくが布団に入ったあと、隣の居間からなにやら話し声が聞こえるんですよ。
父親と再婚した母親とばあさんが、ぼくについて家族会議を開いている。そして母親が言うわけです。「あの子は、ことばにトゲがある」と。
それはもう、ぼくの人生を決定づけたと言ってもいいくらい、悲しかった──。
ひとりの時間
友だちと一緒にいるときの自分が「ほんとうのおれ」なのかというと、それはちょっと違うんです。
誰も見ていない場所でひとり考える自分が「おれ」なんですね。
だからぼくは、ひとりの時間を持たない人は、あまり信用できません──。