ホーム
1045フォロー
376フォロワー
岸田首相も提唱。「新しい資本主義」をファイナンス視点で考える
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
会計やファイナンスの数字がわかるようになると、企業の戦略が見えると教えてもらったことがあります。例えば、ホテル業で固定資産が急に増えたなら、いい土地を買って事業を拡大しようとしているとか、販管費が急に増えたなら、スタッフを増員したり、投資をしたりして事業の強化を図っているという仮説を立てることができるそうです。
人に対するかけるお金も、PL的に「費用(経費)」と見るか、BS的に「資産(利益を生み出すもの)」と捉えるかで、だいぶ考え方が変わると思ます。「費用」と見れば「良いものをより安く」となりますし、「資産」とみれば「良いものをお金をかけて育てていきリターンを狙う」と発想が変わるのではないでしょうか。
そう考えると、「人的資本経営」では、「投資先(人)」の目利きになれる人物の存在がますます重要になると思います。
【解説】mRNAワクチンは「危険」の主張をどうみるか
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
医療関係の記事を読むときには、エビデンスピラミッドのことを知らないといけないと思いました。統計学・研究デザインのことをしらないと、引用された論文がどの程度信頼できるものなのかを評価できないからです。
医療関係の記事を読むときは、サンプルサイズ(どれくらいの人を調査しているのか)と、比較対象となっている要素以外の条件をどれくらいそろえているか、という観点から見るといいのではないでしょうか。
因果関係を証明するのは難儀です。因果関係は、ある事象ともう一つの事象が原因と結果の関係です。相関関係や時間的な前後関係を因果関係と間違いやすいので注意が必要です。
もし、厳密に因果関係を調べたいのなら、ランダム化比較試験(対象群とプラセボ群に無作為に分けて比較する)といった手法がとれるのでしょうが、mRNAワクチンの場合は、倫理的な問題から、大規模なランダム化比較試験ができないのかもしれません。
記事中には、「大規模なコホート研究」となりますが、リンク先の論文を確認すると、"method"に"retrospective cohort study"(後ろ向きコホート研究)と書かれており、いわゆるコホート研究(前向き調査)とは若干異なるようです。
【参考サイト】
山田悠史「論文をどう探すのか?」『その論文が世界を変える』
https://newspicks.com/topics/yuji-yamada/posts/1
医学界新聞プラス[第2回]「後ろ向き」なコホート研究? | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/kanchigai_02
研究デザインの選び方(小山田隼佑) | 2019年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2019/PA03324_05
【愕然】「仕事に全力で打ち込む」のは、本当に良いことか?
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
「仕事」をどう捉え、定義するかで、議論のあり方が変わると思います。この議論では、「仕事=会社に行き、生活費を得ること」と定義されているように思えます。
それはそれで仕事でしょうが、狭義の仕事であると思います。アドレナリン的な快感も、動機の一つとして考えられますが、周りの人達を見ているかぎり、どうも、仕事をする理由はそれだけではないように見受けられます。
また、会社に行って金銭を得ることも仕事の一つなのでしょうが、家事や家族に対するケア、地域の行事に参加すること、自分を育てることも、仕事といえば仕事と言えます。(少なくとも、娯楽とは言えないと思ます)
改めて問わなければならないのは、この私的な領域に関わる仕事を「仕事」と見做さなくなってしまったことではないでしょうか。そこのことが、読書ができないことをはじめとした諸問題を引き起こしているように思われます。
【読書】現代の若者たちに共通する「いい子症候群」とは
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
「現代の若者」云々を言いたいのなら、同世代の若者の意識を時系列で追いながら比較するか、現代の別の世代の意識の比較をしないと、「現代の若者」の意識を調査したことにはならないです。
統計で示されたデータを見ても、疑問点はいくつかあります。
①
> 著者は本書を執筆するにあたり、若手を対象として、1on1に対する態度を調査した。
> 対象は新卒から30代くらいまでの若手で、サンプル集団は47人だ。
調査とはアンケート調査なのか、インタビュー調査なのか、それとも別の調査なのか?
もしアンケート調査なら、標本誤差が大きく出るサンプルサイズだと思ます。
具体例で解説!インターネットリサーチの進め方~データの見方編② - 知るギャラリー by INTAGE
https://gallery.intage.co.jp/netresarchexample-5/
②
> 実際、首都圏在住の18歳から26歳の社会人男女411人を対象とした調査では、約6割の若者が「大勢の前ではほめられたくない」と回答している。
リンク先の調査を見ると、冒頭では、
> 15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の仕事に関する意識調査」を行いました。
文章末では、
> 性別:男女
> 年齢:18~26歳
> 対象:社会人(SC設問は大学・短大・専門学生・大学院生の就活生も含む)
と書いてあり、回答者の年齢がずれていたり、本調査の回答者が「社会人」に限定さえていることがわかり、どっちが正しい記述なのか、と考えてしまいます。
論証のプロセスを見ると、内容に一抹の疑問が残る本です。
【最新版】「課金」する価値のある生成AIサービスはこれだ
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
ChatGPTとPerplexityを課金しており、Claude3とGeminiを課金なしで使用しています。
検索では、PerplexityとGeminiが強い印象です。
Perplexityは情報源の指定をしないと、個人のブログ等も回答の根拠として利用するので、利用者が資料を吟味する必要があります。
GeminiはGoogleを検索エンジンにもつこととGoogle Workspaceのツールとの連携に強みがあります。回答のソースを提示するので安心です。(ただし、URLが無効であったり、リンクが貼られていなかったりするので注意が必要です)回答をGmailやGoogleドキュメントに転記できるのが便利です。
ChatGPTは、他のソフトウェアとの連携が素晴らしい。論文を探すConsensusもChatGPT上で利用できます。ただし、日本語の論文を探すのは心もとない印象です。CiNii ResearchやGoogle Scholarを自分で検索したほうが、精度がよいようです。
-------------
図書館でも、東京都立図書館が、生成AIのチャットボットで所蔵資料の紹介を行っています。
所蔵資料紹介型チャットボット AI ChatShelf(試行提供)|東京都立図書館
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/service/chatshelf/index.html
何回か試してみたところ、資料をピンポイントで探そうとするとうまくいかず、緩くテーマを与えたほうが、自分の望む本と出会える感じです。
この傾向は、どの生成AIにも言えることで、ピンポイントで「この資料」という形で探すと、かえってうまく見つかりません。「このようなテーマで本を探しています」という感じで尋ねてみると、意外な情報源との出会いがあり、いい感じがします。
【募集】NewsPicksで発信してみませんか
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
第一回目の公募でトピックスのオーナーとなりました。
図書館のようなニッチなテーマで、ただの大学図書館司書(派遣職員)がオーナーになれるのですから、気軽に挑戦してみるとよいのではないかと思います。
自分にとっては当たり前であるものが、別のある人にとっては新しい発見となるかもしれません。
トピックスで発信していたおかげで、ある企業様から講演のお声がけをいただきました。(最近は、著書の執筆もあって更新が滞ってしまい、たいへん申し訳なく思っています)
顔を出し実名で発信することによるリスクもありますが、そのリスクを負った分だけ、お声がけをいただくチャンスも多くなるのではないかと思います。
定期的に発信することは大変なことですが、それと引き換えに得られるものは大きいのではないでしょうか。
「自分は相手に寛大に接しているほうだ」パワハラを"ほぼ必ずしてしまう人"に共通する信じられない自己評価
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
ハラスメントの本質は、人間関係を「支配 ― 被支配」の関係に解釈することにあります。「正しく優れている自分」と「間違っており劣っている相手」と認識することにあります。
その背景には、不完全な自分を認めたくない、不完全な自分は見捨てられるという強固な思い込みがあるようです。
暴力は依存性もあるようです。不安や苦しさを紛らせるためにアルコールに依存する人がいるように、暴力に依存する人もいるのではないかと思います。それが、パワハラを"ほぼ必ず"してしまう原因なのではないでしょうか。
【参考サイト】
DV(ドメスティックバイオレンス)とは何か?本当の原因と対策、治し方 - トラウマ、愛着障害、吃音専門のブリーフセラピー・カウンセリング・センター
https://www.brieftherapy-counseling.com/dv-3874.html
ハラスメント(モラハラ)とは何か?~原因と特徴 - トラウマ、愛着障害、吃音専門のブリーフセラピー・カウンセリング・センター
https://www.brieftherapy-counseling.com/harassment-2-905.html
モラハラ(モラルハラスメント)への対策、対処法~6つのポイント - トラウマ、愛着障害、吃音専門のブリーフセラピー・カウンセリング・センター
https://www.brieftherapy-counseling.com/harassment-910.html
【英国流】「本が多すぎて選べない問題」のシンプルな解決策
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
万人にとっての良書はないのかもしれませんね。本そのものは言うに及ばず、どの本を読み、どの本を紹介するかでさえ、為人が表れます。ある人がいいと言っていた本が、別のある人にとっては、合わない、ということはよくあることです。
本は人そのものであると言えます。なので、合う合わないがでてきます。そして、自分の持っているバックグラウンド、抱えている問題や課題で、良書となるものが変化します。同じ本であっても、時期によって重点的に読むところも、本から得られるものも違ってきます。
『英国エリート名門校が教える 最高の教養』は、アウトプットに関する記述もあります。そちらもご紹介いただきたかったと思います。
「文章を書く三分の一の時間は、考えることに充てる」「文章の構成を考える」「話すときは(アリストテレスの)「エトス」「パトス」「ロゴス」を含める」など、参考になる手法が紹介されています。
文章やプレゼン・スピーチをブラッシュアップする参考になると思います。
【最新調査】いま職場で「ソフトスキル」の需要が高まっている理由とは? | ソフトスキルが採用の決め手に?
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
ハードスキルをAIが代替し始めて来ているので、相対的に「ソフトスキル」の需要が高まったのではないかと思います。単純作業だけでなく、クリエイティブな仕事でさえ、生成AIに取って代わられるような時代ですし。
ハードスキルがダメだからソフトスキルに飛びつく、というのも、筋がいいとは限らないのかもしれません。同じようなソフトスキルを身に着けたところで、供給が多くなれば、できて当たり前になり、価値は低くなります。
結局、自分の好きなことをやっている人が強いのかしれません。
生成AI時代を勝ち抜く「事業・組織づくり」 - PIVOT
https://pivotmedia.co.jp/movie/11612
【英国名門校】結局「いま、読むべき本」とは何なのか?
中崎 倫子昭和女子大学 現代ビジネス研究所 / 都内大学図書館 研究員 / 司書
「教養」というとインプット(読書)に眼が向きがちなのですが、『英国エリート名門校が教える 最高の教養』(文藝春秋)の構成は、前半2章がインプット(何をどう読むか)、後半3章がアウトプット(どう書くか、どう語るか)になっています。インプットしたものをアウトプットできないと、「教養」とはいえないのかもしれません。
この本は「◯◯をしなければエリートではない!」「いまの時代は◯◯をしなければダメだ!」というような強迫的なメッセージがないので、気が楽に読める本です。他人に強制しないところに、エリートや貴族が本来もっている「余裕」を感じます。そして、その「余裕」は、自分のなかにある「知識」によって支えられていると思います。そのような意味で、「リベラルアーツ」は、「自分の心を自由にする」作用があると思いました。
「必要がなくなれば、蹴り飛ばしてしまって構わない。どの章から読んでもいいし、途中で読み飛ばしてもいい。興味がない章は完全に読み飛ばしても問題ない」(p.9)
「読書はやっぱり楽しむものだ」(p.79)
NORMAL
投稿したコメント