受験生の大切な健康管理のために

2024年7月7日
全体に公開

もう夏休み!?

2024年度の受験も終わり、もう夏休みが目前です。

受験生にとってはよく「夏は受験の天王山」などと言われ重視される時期です。最高のパフォーマンスで日々を送りたいと思っている受験生も多いことでしょう。

私も受験塾などの会報誌から取材をいただくことも多いので、受験生が現在どのようなどのような問題に向き合っているのか、最近の入試環境やその難易度などを確認するために過去問や参考書、受験情報誌を絶えずウオッチしたり専門家から情報を聞くなどしています。

少子化の時代とは言え、皆が目指したい難関校の入試は年々厳しさを増しているように感じます。難関入試を制するためには、一瞬たりとも時間を無駄にしたくないと思うことが本音でしょう。

体調を崩す受験生も

一方で、体調が整わず思うように全力が出せない受験生の方もいることと思います。場合によっては学校に行けなくなってしまうことも多いです。

2023年文部科学省の調査では学校に行けない小中校生は約30万人、高校生は6万人いるとのことでした。私も医師という仕事柄、そういった体調不良のお子さんについてご相談を受けることがあります。

最初の相談窓口は学校の保健室であったり、最近では学校カウンセラーであるかもしれません。これらの相談窓口で改善が図れればなんら問題はありませんが、一向に改善が見られず時間ばかりが過ぎていく、ということもあります。

写真 Unsplash / 撮影Zohre Nemati

登校できない場合は1度医師へ受診も

そうした折には、ぜひ1度医師を受診してもらいたいと考えています。中学生までは小児科、それ以降のお子さんはまず内科に受診するとよいでしょう。

身体になんらかの疾患が隠れている場合、その疾患そのものをなにも治療をせず「待つ」だけではなかなか改善は見込めません。例えば甲状腺機能低下症であったり、うつ病、起立性調節障害などが隠れている場合、いくら心理カウンセリングをしたところで改善は見込めません。

私が以前経験した事例として、意欲が低下してうつ病ではないかとのことで心療内科に受診したものの、採血をすると実は甲状腺機能低下症だった、ということがありました。やはり、きちんと診断を付けて内服治療が必要な時には適切に内服をする必要があります。

写真 Unsplash / 撮影Alexandr Podvalny

起立性調節障害

起立性調節障害は、朝、血圧が上がらず、脳に血液が十分に回らないため、結果としてだるさやめまい、気分不快がひどくベッドから起きられず登校できないというものです。

この疾患でお困りの方は多く、起立性調節障害による不登校の人は7万人に上るとも言われています。昼~夕方になると症状が改善するので周囲から理解されにくく、「さぼり」などと誤解されてしまうこともあります。

甲状腺機能低下症やうつ病の場合、内服治療が必要になることが多いでしょう。また起立性調節障害も血圧を適切に上げる薬もあり内服で症状が緩和することもあります。これらの薬は受診して医師から処方されるものです。

朝の生活習慣で改善することも

起立性調節障害については起床時に足の位置を挙げて頭に血液がめぐりやすくさせる、熱い湯のシャワーを浴びて交感神経を刺激して血圧を上げるなどの工夫も効果があることがあります。

大事な夏ですので、受験生の皆さんの参考になればと幸いです。

参考)日本小児科学会https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/2016_ikotyosa_hokoku-114-116.pdf

トップ画像:Unsplash / 撮影 Nguyen Dang Hoang Nhu

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