ジェンダークオリティ - ギャップのもやもや

2023年11月30日
全体に公開

ギャップ。それはどこにでも存在していて、昨今ギャップだらけだと感じています。

長く外資系企業に勤めたあと、老舗の複数日系企業に勤め、180度違うカルチャーの中でギャップを目の当たりにしてきました。また、私は大学が工学部出身なのですが、当時は女性がただ一人の研究室におりましたし、今でも様々な日系企業でただ一人の女性幹部、どこの会に行ってもただ一人女性、が多い立場を経験しています。だからこそ、ギャップギャップと世間で騒がれるたびにモヤモヤしたり、理想と現実のギャップを感じ経営がうまくいかない、などという方に対して、多方面から見たギャップを分析し、ギャップについて深堀をしていくことで、みなさんのヒントになればと考え、「ギャップソリューション」というテーマでトピックスオーナーに就任させていただきました。

初回については、ジェンダークオリティ(所得や待遇などのギャップではなく、意識構造のギャップ)について、投稿したいと思います。読んでいただける方に、あるある!と感じてもらえれば儲けものです。

昨今「女性」「女性」と、飽きるくらいよく聞きますね。「男性」「男性」とは聞かない。

なぜ「女性」なのかは、メディアなどで報道されている通りだと思いますが、私は「女性の」活躍維新ではなく、「男性」の活躍推進だと思っています。

最近、とある上場企業の役員の方とお話をする機会をいただいたときに「田丸さん、女性が長く働くためにはどうすればいいのか」「田丸さん、女性が活躍できている企業と、女性が活躍できてない企業は、何が違うのですか?」という質問を受けました。最近このような質問をいただく機会がよくあります。私も企業の役員として、相談をいただくことは大変光栄に思います。

結論から申し上げると、私は、それは「男性の質」です、と答える。なぜなら、女性の立場からすると、ちょっとしたことですぐ「男性」の「質」に幻滅する(念のためですが、人を評価している質ではなく、あくまでも異性に対する想像力の質を指します)。ただ、それは、その幻滅してしまった女性本人しか気づかない。女性が女性に幻滅することもありますが、男性に幻滅するほうが多いと個人的には思います。

一例として、「うちは専業主婦だから子供が幸せ」と言っている男性社員がいたという話をとある女子会で聞きました。「専業主婦ではないお母さんの子供は幸せではない」のかと、ショックだったそうです。その言葉を発する方と受ける方に大きな「ギャップ」が生まれています。しかも、発言は、会社で働いている同僚の女性に発しており、「子供が家にいるときにお母さんがいないと幸せではないのか」とその場にいた女性が考えてしまうであろう想像がかけている。正直、不愉快だった、たとえ思っていても、会社で働いている女性にするべきではないと・・また、この会社は、そういう考えの男性がいる会社なんだと、会社に対して幻滅してしまい、個人レベルから会社レベルに対してのギャップに拡大してしまったようです。

こういう話、みなさんも、あるある!と思われたかもしれませんが、実は、日本だけではないですし、男性に対する女性の発言もあります。同性でもありますね。ただ、やっぱり、日本の男性の「質」が会社の評価、文化に直結している割合は高いと思います。

外資系で働いていたときも、外国の方が、「奥さん、専業主婦だからうちは子供が安心」と言っている方、確かにおりました。ただし、外資系は、女性も多数働いてジェンダーによるギャップはないように見えます。女性比率も非常に高く、とても働きやすい環境です。ではなぜ、外資は問題なくて、日本はそのようなことを言われると一気にモチベーションが下がるのか、このギャップを次回から埋めていきたいと思います。

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