イスラエルでミサイルの音と警報を聞いてシェルターで過ごした夜〜メディア報道と現実の狭間で
イスラエルへ離陸直前。イスラエルがガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスからミサイル攻撃を受けたニュースを、隣の席のイスラエル在住者に聞いた。
多くの乗客はニュースをみているようだったが、とても落ち着いている様子(後に入国審査時にイスラエル人確認)
「降りないの?飛行機着陸するの?」
と隣に座ったイスラエル人(在住者)に聞くと
「こういうことは、よくあること」
と平静の様子だった。後ろの席でも何やらわからない言葉で盛り上がっている。
「非常事態じゃないのか?」
そういえば最後に何名かが飛行機から降りたのは、このニュースが理由だったのか。と後になって後になって気づく
「イスラエルで何かあったら私の家に来たらいいわ」
という言葉に安心感を覚えたこともあり、北朝鮮が日本にミサイルを打ったニュースのような感じなのかなと、そのまま離陸した。(というかあの状況で降りるはすでに不可能だった)
8日の爆撃後のイスラエル空港は観光客がたくさん
飛行機がイスラエルの空港に到着時には,謎の大きな拍手。空港はニュースをまだ見てないのか?観光客で活気があり賑わっていた。(おそらく12時前後だったのかはっきり覚えていない)
とりあえず状況がわからないのでホテルへ行く。空港からの道路はセキュリティで1台ずつチェックが行われていた。
少し休憩した後にフロントにビーチに散歩いに行きたいというと、
「今日はビーチは人が少ない。タクシーも走ってないよ」
とのこと確かになんだか静まりかえってる。気づくとぞくぞくと観光客らがロビーにあつまり、ツアーキャンセルになったとなげいている
仕方がない今夜は部屋で休むか。とNetflixをみる。Netflixをゆっくり観る時間は日本でなかなかみれないぞというくらいの気楽さだった。このころは。
その途中、聞き慣れない空襲警報が鳴りびいた。
うううううううううーーー
「え?どういうこと?」
その後、何発かのミサイル音と振動
「え?ちょっとちょっと」
窓ガラスは不気味にビリビリと振動してる
「何が起きている?戦争?」
急いでホテルのシェルターに入る(イスラエルはすべての建築物にシェルターの設置が義務付けられている)
何発か発射される。だんだん慣れてくる鈍さが怖かった
うううううううー
続く警報、ミサイル音、パトカー、救急車、不気味のサイレン
恐怖心を煽る
人生で味わったことのない音という情報の恐怖を独り。ただ時間が流れるのを祈る。
現地の方が電話をくれて「大丈夫。シェルターは確認しておいて」と言ってくれた言葉だけを頼りに、孤独と音の恐怖はすさまじく、ベッドの布団をかぶりただ時間が過ぎるのを祈っていた。恐怖と疲れからそのまま眠っていた。
この時の写真は恐怖で当然なにもとっていない。言葉では伝えられない恐怖だった。
後で調べて知ったのだがこれは、アイアンドームといって迎撃ミサイルなんだそうだ。
ミサイルがあるから安心というのも恐ろしい世の中だ。当然続いているんだろうが武力のない対話の世界が広がって欲しい
メディアの報道と現実のイスラエル・テルアビブ
翌朝太陽はのぼり、バスが走り、ジョギングしている人たちもいる。不謹慎かもしれないがとても美しい太陽だった。これがテルアビブの日常なんだろう
一方で日本での報道ニュース情報には、空港閉鎖、戦争状況下にあるなど、過激な映像がSNSで拡散されている。僕が目の前で見てる景色とは大きく乖離している。
そもそもテルアビブとガザ地区は離れているのに、一つの「イスラエル」とまとめて認識されている
「大丈夫なのか」「テロリストが近くにいるんじゃないのか」
などの連絡もあったが、実際僕が目の前でみていたのはこういう景色だった。朝以降は、観光地は人がどんどんいなくなり、閑散としていったようだ。
予定が続々キャンセルに〜飛行機が異常価格に
イスラエルには,先端スマート農業の視察に来たが、イスラエル人は軍事に駆り出させれることもあり予定も続々キャンセルになった。
各国の航空会社も続々とキャンセルを発表し、出国や帰りの飛行機もなくなると危険な上に帰れない状況になる。なにより日本から来る心配の声が一番きつかった
まずいな。。。。
僕は急いで飛行機チケットをとりに動いた。多くのチケットが完売で,ダイナミックプライシングで高価格に変動している
ますますまずいな
とにかくチケット抑えないと、焦りと不安でパニック状態になる。感覚値だが通常より3〜5倍の値段
そんな時奇跡が起きる。先ほど完売だったエミレーツが一席あいた。しかも通常か価格。急いでチケットおさえた。決算処理のわずか数秒がこれほど遅く感じたことはない
いま帰国しないとまずい。奇跡的にとれたチケットで空港へ
安全も考えて3時間前に空港へ。タクシーの運転手も家族が入国できないなどなげいていた。空港は混乱していた。
この状況が全てを物語っているだろう。ここまで来ると、僕はなぜかとても冷静になり1つ1つの出国の手続きをすませていった
セキュリティチェックなどを済ませていく、全ての工程が終わりゲートのフードコートについた。そこにいる人たちには安堵と安らぎを感じられた。情報が人の感情に大きく影響を与えることを感じた
僕は無性にマクドナルドが食べたくなった。なぜかわわからないりチキンマックナゲットセット15ドル約2000円と円安をなげきながら
滞在わずか1日で出国〜平和を祈る
いつでもどこにでもあると思っていた平和。それは1日で一瞬で違う景色になる。
そして今もこの瞬間も罪のない子供たちが被害にあっている。イスラエルを離陸した時
「僕だけ救われていいのだろうか?」
という問いが自分に湧き起こってきた。疲れと緊張で心が摩耗していたんだろうけど、なんだか悲しくなって涙が出てきた。
起業家として、1人の人間として、この国際社会の紛争や罪のない子供達や人が被害を受けている状況をなんとかできないだろうか。今心からそう思う。人類はミクロだけではなく、マクロな世界の社会課題の解決へ軸を移す必要があるだろう。それが回り回ってミクロの課題の解決にも寄与する
イスラエルではやるせない思いや辛さを吐き出すところがなく、X(Twitter)で、安否連絡もかねて発信し続けた。知ってる人も知らない人も多くの人に温かい言葉をいただきました。
この世の中全ては情報だなと思いました
メディアの報道と目の前で起きていることの乖離をとても感じました。イスラエルといってもガザ地区とテルアビブは、かなり離れているにもかかわらず、イスラエルと一括りにまとめまれて,あたかも火の海の中にいるかのように報道される
「空港閉鎖の可能性」は、伝言ゲームで「空港閉鎖になり」「テロリストが空から侵入」は、「テロリストに囲まれている」なる
一方でメディア側も情報発信は難しいだろうと思った。僕もx で空港は観光客がたくさんいると書くと、そこだけ切り取って、安心のようですとリポストされたりした。後に削除した。
テルアビブは、バスも走り犬の散歩してる人もいます。
なんて報道して怪我人が出た日には公共の電波を使ってる側は大きな責任を負うことになりかねないだろう・
人々の生き方や考え方や文化や宗教も、これから世界中で様々な紛争が起きるだろう。僕は一夜にして違う景色になった街を見た。日本のSNSをみると普段と変わらない日常がある。
平和ボケ
なんて言葉で片付ける必要はない。これだけ平穏に過ごせる社会にいることに感謝して日々幸せにいきていくことが大事だ。
イスラエル人は常に戦争と隣り合わせで、死を意識して生きているそうだ。そのため,働く時は集中して働くし,遊ぶ時は思いっきり遊ぶ。
今を生きる
という言葉に通じる生き方だ。いまこの瞬間に恐怖を感じている人にも少しでも早く安心の時間が訪れます様に。戦争や紛争が一つでも少しでもなくなり、今を幸せに感謝しながらいきる。そんな社会をつくることに自分の命を使っていきたい。
世界の平和を心から祈ります。
*追伸
イスラエル滞在時には現地の方や日本からも関係者の方々からもたくさんの連絡や励ましサポートをいただきました。
お名前をだすのも恐縮なので割愛しますが、皆様からの助言がなければ、報道ニュースの恐怖で冷静な判断ができなかったかもしれません。
本当にありがとうございました。Xで応援してくださった皆様も本当にありがとうございます。今回の記事はたくさんの人に読んで欲しいと思い公開記事にしました。ぜひコメントなどでいただければさいわいです。
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