2021/5/13

【再掲】日立・新社長が語る、グローバルDXカンパニーへの道

NewsPicks 記者
日立・次期社長が描く、デジタルトランスフォーメーション(DX)の構想とは──。
日立製作所は12日、経営トップ人事の交代を発表した。健康上の理由から経団連会長の退任を決めた中西宏明氏が、日立の会長も同日付で退任。同時に現社長兼CEOの東原敏昭氏が会長兼社長となる。
そして、6月23日付けで東原氏は会長兼CEOになり、副社長の小島啓二氏が新たに社長兼COOに就任する。
実はNewsPicksでは、2020年1月に小島氏に対し、独占インタビューを配信していた。
その内容は、日立はもちろんのこと、日本の製造業の変革を考えるうえで、今に通じることばかりだ。
インタビューのテーマは、第一に、日立が進めている大型の買収と売却を巡る背景だ。
実際、日立化成やカーナビのクラリオンといった子会社を売却し、一方でホンダ系列の自動車部品メーカーや、スイスABBの送配電網事業を買収するなど、大胆な事業の入れ替えを進めてきた。
第二に、顧客企業のDXを支援するためのサービスプラットフォーム「ルマーダ」を軸にした、グローバル戦略だ。
この分野については、日立は2021年7月までに米グローバルロジックというソフト会社を1兆円もの金額で買収する。日立はもとより世界のグローバルプレイヤーが注目する分野だ。
こうした今のトレンドを知るうえでも貴重な小島氏へのインタビューを改めてお届けする。
INDEX
  • 買収・売却の判断基準
  • 日立にとって面白い時代
  • IoTはひたすら辛抱
  • 価格表がないビジネス

買収・売却の判断基準

──日立化成など「御三家」と呼ばれた中核の子会社すら売却し、一方、なぜ自動車部品というハードの企業を買収するのですか。
小島 自動車部品事業のポートフォリオをどう整理するか、さんざん議論をしてきました。それまでは当社も、「ありとあらゆるものを手がけている」という状況でしたから。
そうして決めた判断基準は、その部品に「どれくらいたくさんのソフトウエアが載ってくるか」、ということです。