2020/10/24

【ココナラ 会長】会社に自分を最適化しすぎてはいけない

株式会社ココナラ 代表取締役会長
スキルシェアサービスの草分けとして圧倒的な存在感を放つ「ココナラ」。デザインやイラスト、キャリア相談など個人が得意とする多種多様なサービスが出品されている。その数は200種類・40万件以上におよび、登録会員数は170万人を超える。

「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」を経営ビジョンに掲げ、ココナラを拡大成長させてきたのが、運営会社ココナラの創業者で現会長の南章行氏だ。

大手銀行から企業買収ファンドに転身。英オックスフォード大学でMBAを取得し、2つのNPOの立ち上げに参画後、起業に至った南氏のキャリア、人生のストーリーを追いながら、個で生きる力を獲得するためのヒントとなる哲学を聞いた。(全7回)

自分の未来を真剣に考えた

MBA留学から帰国後、ファンドの仕事と2つのNPOの活動を続けていくなかで、次第に自分の気持ちがNPOの活動に傾いていくのを感じていました。
ファンドの仕事で大きな案件を成し遂げ、会社からさらなる成長を求められときに、自分の未来を真剣に考えて、自分はそれを望んでいないという結論に至りました。
南 章行(みなみ・あきゆき)/ココナラ 会長
1975年生まれ。愛知県名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部を卒業後、1999年住友銀行(現三井住友銀行)入行。2004年に企業買収ファンドのパイオニアであるアドバンテッジパートナーズ入社。2009年に英国オックスフォード大学経営大学院(MBA)修了。現地で出会った「音楽を使った若者向け社会起業プログラム」ブラストビートの日本法人(NPO)設立を主導したほか、オックスフォードの同期が設立したNPO法人「二枚目の名刺」の立ち上げにも参画し、個人の自立・自律をサポートする活動に積極的に参加。東日本大震災をきっかけに、2011年6月にアドバンテッジパートナーズを退社し、自ら代表としてウェルセルフ(現ココナラ)を設立。知識・スキル・経験のスキルマーケット「ココナラ」を運営している。一般社団法人シェアリングエコノミー協会理事。