【完全解説】Uber本日上場、3つのポイント

2019/5/10
ついにユニコーンの“本命中の本命”の出番がきた。
現地時間2019年5月10日、北米のライドシェア最大手「Uber」が、ニューヨーク証券取引所に上場する。
2019年は3月29日に米ナスダックに上場したライバル、Lyft(リフト)をはじめ、ハイテク企業のIPOが相次ぐ。その中でも最大の銘柄が上場することになる。
アメリカ史上では、2014年の「アリババ集団」以来の大型IPO(新規上場)になる見込み。それもそのはずで、創業から10年、これまで世に存在しなかった「ライドシェアサービス」を展開し、人々の生活を劇的に変えてきたのだ。
Uberの実力を改めて振り返るとともに、これほどの企業がなぜ、ここにきてようやく上場にこぎ着けたのか。そして、上場後の課題は。
改めて押さえておくべきUber上場「3つのポイント」を、シリコンバレーのベンチャーキャピタリスト・山本康正氏とともに現地から解説する。
◆サンフランシスコ・Uber本社前よりIPOポイントをレポート。動画はこちら⇩
山本 康正(やまもと・やすまさ)
ニューヨークの金融機関に就職し、ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。Googleに入社した後、現在は日米で活動するDNX ベンチャーズでインダストリーパートナーを務める。日米間のリーダーシッププログラム 「US Japan Leadership Program」フェローでもある

①5年ぶり巨額IPO

──Uberの公開価格は、一株44ドル〜55ドルになるとみられています。
山本 時価総額は、最大915億ドル(10兆円)に上るとみられます。公開株式数は1億8000万株、最大90億ドル(9900億円)の資金調達を目指しています。
これはすさまじい規模感です。自動車業界でいえば、米大手ゼネラル・モーターズやフォード、あるいはテスラやホンダなどの時価総額を超えます。
Uberを上回るのは、既存の自動車メーカーでは、トヨタ(約22兆円)だけです。