【コトラー教授討論会】2020年に向けた「新マーケティング戦略」
2015/11/30, NewsPicks編集部
「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015」リポート
【コトラー教授討論会】2020年に向けた「新マーケティング戦略」
2015/11/30
ビジネスやマーケティングの最新動向について討論する「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015」。マーケティングの権威として知られるフィリップ・コトラー教授、ヘルマン・サイモン氏ら内外の一級のマーケターが結集し、注目したいビジネストレンド、日本企業へのアドバイスなどが語られた。その中から、最終日に行われた「2020年に向けて何をすべきか(英題:Strategies for Competing Effectively in 2015-2020)」と題するパネルディスカッションを収録する。シリーズの最後の今回は、登壇者全員が意見を交わしたパネルディスカッションの模様をリポートする。
第1回:フィリップ・コトラー教授(ノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院 教授/マーケティングの父)
第2回:ヘルマン・サイモン氏(サイモン・クチャー&パートナーズ創立者&代表、マーケティングコンサルタント/マーケティング戦略の第一人者)
第3回:ドン・シュルツ教授(ノースウェスタン大学 IMC名誉教授/コミュニケーション論の世界的権威)
第4回:高岡浩三氏(ネスレ日本 社長兼CEO)
第5回:パネルディスカッション
討論参加者
フィリップ・コトラー教授
ヘルマン・サイモン氏
ドン・シュルツ教授
高岡浩三氏
モデレーター:高津尚志氏(IMD北東アジア代表)
グローバリアと自動化の時代へ
司会:討論のテーマは「2020年に向けて成功するためのカギは何か、戦略のカギは何か」です。日本企業の皆さんへ向けてアドバイスをお願いします。では、コトラー教授から始めていただきます。
コトラー:企業がこれから必要とするのは「戦争ゲーム」のルールです。ほとんどのマーケティングは、メガシティで実践されます。
今、世界には多くの大都市があり、多国籍企業や大企業がそういった大都市に目を向けています。ある製品を世界の800都市に売り込む場合、その都市の情報をたゆまずつかんでいなくてはいけません。
たとえば、ある都市では競争相手の攻撃を受けたり、新しい商品が出たり、値引きが必要になるなど。このような情報をどう管理し、素早く対応するかが問われています。
そこで、将来のマーケティングの現場はどうなるかというと、分析ツールや対応メカニズムを導入し、自動化する、いわゆる「マーケティングの自動化」が行われるでしょう。
もはや“人のアナリスト”は何も分析する必要がなくなるかもしれません。このように、将来の方向性としては、マーケティングの意思決定やそのためのやり方がまったく変わることです。もちろん、値付けも変わります。
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コメント
注目のコメント
以前参加した小売とラグジュアリーブランドに特化したカンファレンスで、パネルディスカッションに参加したファッションブランドのCEOたちが口々に、ファッション系の小売業界では、10年くらい前から、店舗作りに文化人類学を生かしていると言っていたが…それってどこまで専門的な話なんだろう?と思った事を思い出した。
神経科学っていっても、そのどこの部分をどうやって使うって話をしてるのかな?今までの社会心理学や行動経済学の何処を進化させたいのか?こういったパネルはどうしてもビッグワードで新しい視点を出そうとしがち。コトラーやシュルツ自体がもうひと昔前のコンセプトから抜け出していない感覚があるので、仕方ないと思うが、実際価格戦略の話がメインのパネルになっていて、ちょっと残念〜マーケティングにこれから求められることは変化に対応すること。それしかないでしょう。
これ最終回かな?
巨匠が集まった割にはずいぶんネタ薄な気がする。もっとえぐった質問してほしかった。プロクター&ギャンブルは、神経科学の専門家と組み、どのようなコピーやニュースを見て、どうすれば成功できるかという記録を採っています。
マーケティングは神経科学の領域に踏み込み始めている、と。マーケティングの本質が個別化と差別化であるということはむかしから変わっていないと思うが、神経科学のアプローチによって、更に効果的に個別化、差別化を進める事が出来るんでしょうね。