2024/3/25

【幹部激白】役員たちの前で「豊田章男」が語ったこと

今から3年前、NewsPicks編集部はある人物にインタビューをした。
トヨタ自動車の副社長にして技術トップを担っていた前田昌彦CTO(当時)だ。
当時は各社がEVシフトを鮮明に打ち出し、派手な決断をした企業の株価が上昇するムードが漂っていた。
そうした環境下にあって、トヨタは世の中のEVブームに冷静に対峙し、HVや水素などあらゆる動力源を追求する全方位戦略を打ち出していた。
前田氏は当時のインタビューでこう語っている。
(EVの実需は)まだ大きなうねりとして見えていません。(中略)今、「EVが来る」と思い込みすぎることへの、怖さはあります。
あれから3年。足元では、グローバルにEVの成長率が低迷し冬の時代を迎えている。
一方で、タイなど局所的にEVが普及している国もあり、状況を正確に把握するのが難しい。
トヨタは現状をどう捉えているのか。
今、アジアのEVの最前線であるタイで陣頭指揮を執る前田氏にインタビューした。
前田昌彦(まえだ・まさひこ)/
トヨタ自動車取締役アジア本部長。1969年生まれ。東北大学大学院工学研究科を修了後、トヨタ自動車に入社。技術畑を歩み、2019年に執行役員に。20年4月にCTO。23年4月より現職。
INDEX
  • 「まだ、今じゃないだろう!」
  • EVの「実需が来た」
  • とにもかくにも「変化対応」
  • BYDは「脅威」ではある
  • トヨタは「大値引き」はしない

「まだ、今じゃないだろう!」