2024/2/16

ルネサストップがNewsPicksに語っていた1兆円級買収の狙い

NewsPicks ジャーナリスト
日本の半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクスの巨額買収が止まらない。
15日に9000億円近くをかけて米国企業を買収すると発表した。年内に買収を完了させる予定だ。
今回の買収は、大型買収が続く日本企業にとっても異色となる。
エヌビディアやクアルコム、アメリカが独占する半導体設計ソフト企業も「踏み込めていないプラットフォーム」作りに挑戦する。
単にソフトビジネスも強化するのみならず、業界の変革を主導すると明言したことになる。
2017年以降、ルネサスの買収金額は累計2.6兆円に上る。日本でまれにみる「買収巧者」における財務的な裏付けも学びになる。
そこで、2020年末に柴田英利CEOがNewsPicksに語った将来ビジョンを踏まえ、今回の買収で目指す究極の狙いについて解説する。
INDEX
  • 目指すは半導体の「GitHub」か
  • エヌビディアとは違う道へ
  • 買収巧者の裏にファイナンス力
  • 「食い扶持」を自ら奪う

目指すは半導体の「GitHub」か

業界の誰もが踏み込めていないオープンなプラットフォームを構築したい──。
ルネサスの柴田CEOは15日の会見で、そのように宣言した。