2024/2/2

【野中郁次郎】君も新たな「日本的経営」創造の担い手たれ

NewsPicks ジャーナリスト
ご存じだろうか。近年広がっているビジネスモデルが日本を起源としていることを。
例えば、スタートアップの開発手法をモデル化した「リーンスタートアップ」。
海外で「トヨタ生産方式」を意味する「リーン(無駄のないこと)」から来ている。
次に、ソフト開発を高速化する「スクラム開発」。こちらもトヨタ生産方式のほか、野中郁次郎氏らの経営モデルがベースとなっている。
つまり、過去日本で自動車など大手製造業における強みが、世界スタートアップソフト業界に当てはまる。
つまり、
日本的経営は、時代も業種も規模も問わずに、あまねく通用する
ことになる。
そんな仮説(日本的経営の普遍説)の下、特集の「大トリ」が登場する。
それが野中郁次郎一橋大学名誉教授。
知識創造理論(ナレッジマネジメント)の始祖にして、世界的にも有名な経営学者。
日本が持っていた普遍的な強みとは何か、そして、なぜその強みが失われたのか。
📌分析する前に「感じろ」
📌アメリカ流モデルの「猿まね」はよせ
📌事実の羅列より「主観」を入れろ
そんな叱咤激励含め、経営の「本質」をお届けする。
INDEX
  • 日本・アズ・No.1とは何だったのか
  • 日本的イノベーションの作法
  • デジタル全盛期に「暗黙知」
  • 「野性」とは何か
  • 日本的リーダーの再興

日本・アズ・No.1とは何だったのか

日本には恩恵が吹いていた。人口増による経済的恩恵「人口ボーナス」や、1ドル360円の固定為替相場制度があった。
ただ、それだけで日本企業が世界を席巻したことはなかっただろう。野中氏は、当時の日本の「強み」をどのようにとらえているのか。