2023/9/15

嘘をつく「動機がない」。疑惑の渦中で広津社長が語ったこと

「私は科学者ですから」
検査ビジネスで急成長するユニコーンのトップが、記者の質問に気色ばみ、語気を強めた。
簡便さと手頃な価格、高い精度をうたい文句に、50万件以上を売り上げている線虫がん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」。
NewsPicks編集部の取材班は今週、N-NOSEの検査精度をめぐるスクープに始まり、サービスを運営するHIROTSUバイオサイエンスの創業前後のドキュメント、そして同社を支えるエコシステムの解剖に至るまで、多数の関係者への取材から浮き彫りにしてきた。
虚飾のユニコーン特集最終回は、渦中の人物による1万字の独占インタビューをお届けする。
取材班は1か月ほど前、HIROTSU社の広津崇亮社長に直接疑問をぶつける機会を得ていた。
8月9日、東京・千代田区の同本社オフィスでインタビューに応じた広津氏は、自らの研究実績とビジネスを誇り、疑惑については真っ向から否定した。
インタビューの時間は限られていたため、この日に聞ききれなかった質問や、その後に生じた疑義については後日、広津氏宛に質問状を送付した。
この質問状に対して「直接説明したい」と、HIROTSU社の取締役や研究開発責任者を含む幹部ら7人が9月8日、NewsPicks編集部を訪れた。
この日の出来事についても、インタビューのあとにお届けする。
INDEX
  • 「生物の能力ならできる」
  • 年末までに黒字化
  • 「薬機法の外で」厚労省が助言?
  • 世界で一番、線虫を解析
  • アルゴリズムとは?
  • 「永遠に出せない」
  • 「渡すわけにはいかない」
  • 「それはやめてくれ」
  • 「嘘をついたところで」
  • 幹部ら突然の来訪
  • 判定法を把握「数人だけ」
  • 人よりも寿司ロボット