[30日 ロイター] - 米アップルの時価総額が30日、3兆ドルを突破した。終値ベースでの大台超えは初めて。日中の取引で3兆ドルを超えたのは昨年1月以来2回目。インフレ鈍化の兆しに加え、アップルが仮想現実(VR)などの新市場を開拓しながら収益を伸ばすという成長への期待が株価押し上げにつながった。

30日の取引で、アップルは2.3%高の193.97ドルで終了し、リフィニティブのデータによると、時価総額は約3兆0500億ドルに達した。

また、4日連続で終値での最高値を更新した。

Bライリー・ウェルスのチーフマーケットストラテジスト、アート・ホーガン氏は「最も偉大な上場企業の一つであることの証しだ」と指摘。「成長を続け、収益源を多様化し、株主を満足させる経営を行い、自社株買いを実施し、配当金を支払い、強固なキャッシュフローを持つ要塞のようなバランスシートを有している」と述べた。

アップルは今月5日、拡張現実(AR)ヘッドセット「Apple Vision Pro(アップルビジョンプロ)」を発表。新たなカテゴリーの製品が発表されるのは腕時計型端末「アップルウオッチ」以来となった。

ARヘッドセット発表以降、アップルの株価は約7%上昇し、S&P総合500種の4%高をアウトパフォームしている。

年初来ではアップルの株価は約49%急騰。他の企業では、テスラとメタ・プラットフォームズが2倍超、半導体大手エヌビディアが約190%値上がりしている。

現在、時価総額で1兆ドルを超える米企業はアップル、エヌビディアのほか、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト。マイクロソフトの時価総額は約2兆5000億ドルで、アップルを追っている。