【解説】トヨタの新社長「佐藤恒治」とは何者か?
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注目のコメント
新社長の佐藤さんには、一度会見で質問させていただいたことがあります。「EVがトヨタ全体の中でどんな位置づけになるか」という趣旨の質問でしたが、佐藤さんの答えは以下のようなものでした。
「情緒的な回答になってしまいますが、EVに限らず、我々は車を通じてお客様に素敵な体験をお届けすることをすごく大事に思っています。ガソリンエンジンであれHVであれ、ワクワクドキドキするような車を作っていきたい。今の内燃機関にはもちろん、ワクワクドキドキがあります。ただ、EVにはそこにはないワクワクドキドキがあるんじゃないかなと思っています」
EVに代表される電動車へのシフトは自動車業界の変革として語られ、「トヨタは後ろ向きだ」などと揶揄されます。現状でトヨタにビハインドがある中でどうキャッチアップするかみたいな話ではなく、すごくポジティブにEVシフトを捉えている印象を持ちました。
EVでの出遅れが鮮明になり、EV戦略そのものの書き直しも取りざたされる中での佐藤さんの抜擢は、人選を通じた市場へのメッセージでもあるのではないかと理解しています。53歳の「若きリーダー」となる佐藤さんの重圧はすごいものとなるのでしょうが、どんな戦略を描くのか楽しみです。
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https://newspicks.com/news/8002819/body/2014年だったか、豊田社長が「意志ある踊り場」と表現したことが印象に残っています。
その時のトヨタはリーマンショックと東日本大震災と、(今では忘れがちな1ドル=80前後の)為替環境を乗り越え、過去最高益を再び更新するようになりました。
その矢先の2014年に、予想外の低い業績予想を出しつつ、急速な規模拡大は経営のバランスが崩れる懸念がある。こうして冒頭の意志ある踊り場と表明したと記憶しています。
結果論で話すと、当時、成長を急いだ国内外の自動車メーカーのほとんどは、リコール問題などでつまづきました。
そして、もっともトヨタが安定してリターンを獲得し続けました。ソフトウエアの世界のように、「コピペ」で一瞬にして同じものを広げられないという、複雑性の世界ならではの規模拡大の難しさを痛感しました。
とはいえ、自動車産業界に大きな変革が求められる中で、このままでは「イノベーションのジレンマ」にはまってしまうと懸念されるトヨタ。
「社会システムとしてモビリティ」と佐藤次期社長が呼ぶ、まったくもって新しい自動車への発想転換が求められる。
並行して、これまで培った強みを生かし、「クルマ屋でしか作れないモビリティ」(佐藤次期社長)も目指す。これらの「両利き」をいかにして実現できるかに注目しています。
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https://newspicks.com/news/8002819/body/同族経営の弊害が心配されていますが、強力な「後ろだて」であることも確か。章男氏が院政を敷くために社長を譲ったとは思えないので、より大胆なトヨタらしさを発揮してごちゃごちゃいうアナリストやメディアを黙らせるような結果を佐藤新社長に期待します。