2022/11/6

【古賀大貴】「200兆円」を日本が牛耳れるチャンスがある

地球を救う、世界の「イカれたやつら」を追う──。
そう銘打って、3週末の特集欄をジャックしたNewsPicksのドキュメンタリー動画シリーズ「地球極限GREEENイノベーションジャーニー」もおかげさまで、昨日をもって最終回を迎えることができました。
それぞれのエピソードで異なる、大きな反響をいただきまして、本当に感謝しています。
本日は、番外編として、動画第5回で取り上げた米国で「イチゴ革命」を起こす日本人起業家の古賀大貴さんのロングインタビュー(約1時間半…!)を文字に起こしてお届けします。
筆者が、古賀さんを最初にインタビューしたのは、すでに3年近く前になるのですが、その直後、コロナの到来で、ニューヨークから人がどんどん消えてしまう中、残った人間として(お互い)耐え忍びながら、その間もビジネスを拡大してきました。
特に今年は、アマゾン傘下のホールフーズがOishiiのイチゴの取り扱いを始めたり、アップル、アルファベット(グーグル)、アマゾンのCEOが参加する「CODE 2022」に講演者として名を連ねたりと、破竹の勢いでブレークスルーを果たし、手が届かない人間になりそうな感があります(笑)。
今回のインタビューでは、改めてOishiiの農業イノベーションをめぐるストーリーをひもとくとともに、直近のブレイクスルーを経た新たな野望にも踏み込んでいます。
ぜひ、ご覧いただければ幸いです。
INDEX
  • ①植物工場は「儲かるビジネス」である
  • ②200兆円なのに「絶対に失敗する」
  • ③「受粉」という極秘テクノロジー
  • ④超一流シェフについた「嘘」
  • ⑤50ドル→20ドルの「緻密な逆算」
  • ⑥21世紀の日本は「食とカルチャー」だ

①植物工場は「儲かるビジネス」である

──公式インタビューするのは2年半以上ぶりで、不思議な感じがしますが。
懐かしいですね。ワン・ワールド・トレード・センターのカフェで…。まだ2年半しか経ってないんですね。
──まず、一番ど真ん中の質問から。Oishii Farmとはどういう企業なのでしょうか?単にイチゴを作る会社とは定義していませんよね。
そうですね。Oishii Farmは、農業のあり方そのものを根本的に変えるようなことをしています。
農業の歴史って、人間の歴史に比する長さがあるわけですが、基本的には、もちろんずっと同じような形でやり方でなされてきました。それを我々は、完全に太陽光が一切ない、閉鎖型の空間の中で、作物を育てています。
これがいわゆる、植物工場というビジネスモデルです。
この植物工場というビジネスモデルで農業をすることによって、世界中どこでも、外の天候や気象条件に左右されない形で、野菜や果実を育てることができます。
その技術を使ってまずはイチゴを育てています。
──なぜイチゴから始めたのでしょう?