2021/12/29

【激変】テスラの翻意でゲームチェンジ。電池ウォーズは新時代へ

NewsPicks ジャーナリスト
今、最もマネーが集まっているホットな分野の一つが、バッテリー(リチウムイオン2次電池)だ。
それもそのはず、電気自動車(EV)に一番重要なキーパーツであり、2030年に向けて年率10〜20%の高い成長が見込めるのが車載電池市場だからだ。
実際、テスラやトヨタをはじめとする自動車メーカー各社が今後1兆円を超える巨額投資を計画している。
ただし、電池メーカー同士によるテクノロジー競争も熾烈そのものだ。しかも、テクノロジー同士が追いつ追われつの”シーソーゲーム”さながらの展開を見せている。
そこで2022年のEVを占う、世界の電池テクノロジー動向を解説する。
INDEX
  • イーロンが注目の「アイロン」
  • オワコン扱いだった鉄系
  • 電池の価格反転ショック
  • 鉄のジンクス破る
  • パナが選んだ活路
  • 究極兵器「4680」
  • レア資源フリー vs 高エネルギーへ

イーロンが注目の「アイロン」

「鉄は豊富にある!(There’s plenty of iron in the world)」──。
テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は最近、このフレーズを好んで使っている。
Win McNamee/GettyImages
この「鉄(iron、アイロン)」を積極的に使うこと。それが、テスラのリチウムイオン電池に対する新たな方針だ。