2021/12/28

【到来】あらゆる企業が「金融サービス」を出せる時代が来る

株式会社Finatextホールディングス 取締役CFO
2015年ごろから国内でも盛り上がる金融とテクノロジーを融合していく「FinTech(フィンテック)」。
この動きによって、数多くのスタートアップが誕生し、金融のアンバンドリング化(分解)は年々進んでいる。
アンバンドリング化とは、つまり、金融機関が以前は一貫して提供してきた預金、決済、融資など金融の機能を分解していることを指す。
NewsPicksがお届けする年末年始の本特集では、テクノロジー、サイエンス領域で2022年に注目すべき10のテーマを「10大テクノロジー&サイエンス」として紹介する。
今回取り上げるのは、金融業界のアンバンドリング化の流れを大きく変えようとしている「Embedded Finance(エンベデッド・ファイナンス)」だ。
「エンベデッド・ファイナンス」とは、「組み込み型金融」とも訳され、ひとことで言うと、「金融業界以外の企業が、すでに展開しているサービスの中に金融サービスを組み込んで提供すること」を指す。
これによって、ユーザーは簡単に金融サービスにアクセスできるようになり、新たな需要が生まれるとの期待がある。
金融業界の新たなDX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流になると注目される「エンベデッド・ファイナンス」について、フィンテック系スタートアップのFinatextホールディングスでCFO(最高財務責任者)を務める伊藤祐一郎氏が解説する。
INDEX
  • 2020年代の主流になる
  • 中小規模でも金融サービス
  • 3種類のプレーヤー
  • 決済系の事例:Stripe、Marqeta
  • 「組み込み型保険」も登場
  • 決済アプリでビットコイン取引
  • 金融機関は「土管」になるのか

2020年代の主流になる

エンベデッド・ファイナンスは、「2020年代の10年」という視点で見ると、金融業界の主流になると予想しています。
その理由を説明するために、まず歴史から振り返っていきます。