2021/10/7

【危機】日本の自動車エンジニアは「車」を分かっていない

NewsPicks記者
日本から「次のテスラ」が現れることはあるのか──。
自動車業界は今、100年に1度の変革期にあるとされている。EV(電気自動車)や自動運転が普及していくことにより、これからの移動のあり方は激変していく。
日本の自動車産業を見てみると、トヨタ自動車を筆頭に世界でも存在感を保っており、国内では550万人という膨大な雇用を抱える。押しも押されもせぬ「基幹産業」だ。
ただ、このままでは日本の自動車は世界で通用しなくなる、と力説する人物がいる。
トヨタでレクサス車の開発をマネージャーとして行い、その後は京都大学発のベンチャー企業「GLM」でEVを0から作り上げた経験を持つ、藤墳裕次(ふじつか・ゆうじ)氏だ。
藤墳氏は自身のキャリアを通じて日本の自動車エンジニアに決定的に欠けている能力に気づき、現在はエンジニアを養成する事業を手掛けている。
世界有数の性能を誇る日本車を世に出すエンジニアたちには、一体どんな問題があるというのか。
「このままでは日本の自動車メーカーは淘汰される」とまで主張する藤墳氏の声に、耳を傾けてみよう。
INDEX
  • 僕は、車を知らなかった
  • 車に「触らせてもらえない」
  • 「忖度」がエンジニアをダメにする
  • イーロン・マスクの「凄さ」
  • 「50万円EV」の衝撃
  • 豊田章男の「危機感」

僕は、車を知らなかった

──日本のエンジニアに足りない能力とは、具体的にどんなものでしょうか。