【猪瀬直樹】総裁選から「抜け落ちている」こと
- ①総裁選報道は「クイズ番組」
- ②環境は「コスト」ではない
- ③ゲイツ、原発推進の「本当の理由」
- ④地熱国家の「急所」を知る
- ⑤トヨタの「正論」と「盲点」
- ⑥17兆円を国内で回せ
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共同通信の世論調査(25.26日)によると河野が約50%、岸田が20%強。にもかかわらず岸田が総理になるとしたら、民意を反映していない。僭王(身分を越えて王を名乗り正統性がない)と呼ぶしかない。
近代では、王権の正統性は民意なので、アメリカは南北戦争以降、4年に1度、1年間内乱として王位継承戦争をやり、結果、世論は攪拌され分断とアウフへーベンのなかで、勝者である新しい王が正統性を付与される。
日本の場合は、万世一系の天皇がアプリオリに正統性を保持している。床の間に天皇がおわしまして、座敷に坐る王は僭王でもよいことになってしまう。そういう特殊な二重性が日本の近代をつくり現在につながっている。制度的にそれを認めざるを得ないとしても、俎上にの乗るべきテーマがあらかじめ喪われていれば、国民国家としての求心力は低下し、国力は衰えていくしかない。
今回、あえて総裁選の争点から「抜け落ちていること」の重大性(気候変動とカーボンニュートラル)を指摘させていただいた。
欧米の議論をそのまま日本に持ってきたらいいというものではありませんが、世界では中国を含めた国際関係の中心テーマに気候変動が連日躍り出ているのを確認するにつけ、日本の総裁選は心もとなく感じるのは事実です。
11月のCOP26を含め、世界の首脳が集まるコミュニティでは、気候変動は「議論」ではなく、あらゆる政治・経済・社会の取り組みの「大前提」となってしまっています。
コロナ、少子化、安保、経済政策含め、いろいろな争点があるとは思いますが、まずはもう少しでも「気候変動」「カーボンニュートラル」について危機共有がされても、損することは一つはないと感じています。
そもそも国民に選挙権も無いのに「候補者4人があらゆるテレビ番組に出ずっぱり」である事自体、出せば数字が取れるつまりエンターテインメントとして消費されてる事の現れ。故に「マルとバツの棒で答えさせるもので、クイズ番組レベルです。作り方がもはやバラエティ番組」なのは当たり前。
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