2020/11/5

#05 未来を見通す、必須教養「サイエンス」10選

NewsPicks編集部
サイエンスは世界を見通すためのレンズだ。
科学者による基礎研究が、時にテクノロジーとして応用され、そしてビジネスへと昇華されていく。いつだって、イノベーションのもとを辿れば、科学者たちが身を投じたディープな研究にたどり着く。
11月1日(日)〜7日(土)のアプリリニューアルキャンペーン期間中は、オリジナルコンテンツが全て読み放題。期間中は1日1本、NewsPicksがおすすめしたい記事リストをご紹介していく。
本日は、そんなビジネスパースンの必須教養である「サイエンス」をテーマに、10本のオリジナル記事を紹介していく。NewsPicksはこの4月から、サイエンス班を設置して科学報道にも力を入れているので、ぜひこの機会に目を通してみてほしい。

1.なぜ人類は新天地を目指すのか

なぜ、人類は3万年以上前の旧石器時代に、海を渡って日本列島へやってきたのか。
そこには、小さな舟を作るところに始まり、世界最大規模の海流である「黒潮」を乗り越えるという、壮絶な航海があったはずだ。それらを実際に、舟造りから追体験してみたら、何が見えてくるのか。
サイエンス分野ではまだ珍しいクラウドファンディングで資金を募り、6年をかけて完結した壮大な研究プロジェクトを通じて、人類の「根源的な姿」を学ぶ。

2.iPS「ガラパゴス化」の理由

iPSと聞けば、サイエンスに詳しくない人でも耳にしたことがあるはずだ。
2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏による、日本が誇る生命科学の一大発見だ。2006、07年の論文発表が世界で注目を集めると、ノーベル賞を経て、日本の政官財はiPS一色となり、巨大な投資を続けてきた。
ところが、である。世界の研究を見渡すと、日本のiPS偏重は、この分野における「ガラパゴス」につながっていた。科学界の権威たちへの徹底取材を通じて、iPSの功罪に迫った渾身レポート。

3.日本の研究力はなぜ落ちたのか

日本の研究力の凋落が叫ばれて久しい。
「毎年のように日本人がノーベル賞に選ばれているじゃないか」と首をかしげる人もいるかもしれないが、授賞理由の多くは数十年も前の成果なのだ。
そして受賞者の多くは、「いずれ日本からノーベル賞は出なくなる」と危機感を口にし、科学技術予算の増額や基礎研究の重視を訴えている。
近年政府による「選択と集中」や「成果主義」に基づく科学技術政策が推し進められてきたなかで、日本の研究力はどこまで落ちたのかをデータで読み解く。

3.最新ノーベル賞。ゲノム編集のすべて

2020年、ノーベル化学賞を手にしたゲノム編集テクノロジー「CRISPR-Cas9」。NewsPicksは以前から、この革命的な発見に着目し、受賞者のジェニファー・ダウドナ氏への直撃インタビューするなど、特集を進めていた。
この記事では、自身の財団活動を通して、ゲノム編集に着目するビル・ゲイツの発言などを踏まえながら、ゲノムをめぐる研究の歴史から、CRISPRの発見、未来までこの革命的テクノロジーの本質に迫っている。

4.ネアンデルタール人は生きている

地球の歴史上、「人類」と呼ばれる種は、私たち現生人類(ホモ・サピエンス)だけではない。
ホモサピエンスの登場前後に存在していた複数の人類の中で、私たちと最も近い存在がネアンデルタール人だ。そして、現生人類とネアンデルタール人の間では、混血も起きていた。
今も、日本人やアフリカ以外の現生人類のDNAに残るネアンデルタール人の「痕跡」をもとに人類の謎に迫っていく。

5.数学界の超難問。IUT理論とは何か

2012年にある日本人研究者が公開した数学論文が世界に衝撃を与えた。
京都大学の望月新一教授が提唱する「宇宙際タイヒミュラー(Inter-Universal Teichmüller Theory:IUT)理論」である。この論文が話題をさらった理由の一つは、IUT理論が数学の有名な難問「ABC予想」を証明したと主張していたことだ。
「世界でも理解できる数学者はまだ10人程度」ともされる難解で斬新な理論は、公開から8年を経て、ようやく今年査読を通過し、日本の専門誌PRIMSに受理された。
そのディープな数学の世界に迫る。

6.火星探査で「生命の秘密」に迫る

火星が熱い。
スペースX創業者のイーロン・マスクが火星移住プロジェクトを公言するなど、SFの世界が少しずつ現実味を帯び始めている。その火星をめぐる最新のプロジェクトがNASAによる「マーズ2020」だ。
7月30日にロケットを打ち上げたこのプロジェクトでは、無人探査機「パーサヴィアランス」を積み込んでおり、今火星から地表を削り取って地球に持ち帰ることを目指す。
その最大のテーマは「生命」。火星のサンプルを無事に地球に持ち帰ることができれば、地球外生命体が見つかる可能性もある。その核心に迫った。

7.「人工冬眠」が切り開く、人類の未来

冬眠を人工的に実現する。
まさにSFの世界の話に聞こえるかもしれないが、筑波大学と理化学研究所の共同研究チームが今年6月、自然界では冬眠しないマウスの脳内の神経細胞を刺激し、数日間にわたり「冬眠状態」にさせることに成功したとする論文を発表した。
実は、このマウスで刺激したのと同じ細胞群は、人の脳にもある。もしかすると、将来、人でも人工冬眠を起こせるかもしれない。実は、もし人が冬眠状態を実現できるようになると、さまざまな分野で応用の可能性がある。

8.残念すぎる日本の新コロナシステム

新型コロナウイルスが猛威を奮う中、まだアナログ作業が残っていた感染者の把握などの問題を一挙に解決する専用システムとして登場した厚労省の「HER-SYS(ハーシス)」。
2億円の国費を投じた新型のクラウドシステムとして立ち上がったハーシスだが、自治体での利用は遅々として進んでいない。その残念すぎる欠陥とは。

9.「量子コンピュータ」が切り開くテックの未来

量子コンピュータという言葉を聞くことが増えてきた。
量子力学で知られる「量子」の特徴を生かした計算能力を発揮する量子コンピュータでは、従来のデジタルコンピュータと比べても、桁違いの計算能力を発揮することが期待されていて、世界中のテック企業などが開発を進めている。
なかでも唯一、実用化に成功しているのが「量子アニーリング」という方式である。その商用コンピュータを展開するカナダD-Wave社のCEOらにその本当のポテンシャルを聞いた。

10.コロナワクチンを先導する最新テクノロジー

コロナの収束はワクチンにかかっている。
世界中で、ワクチンの開発競争が進むなかで、トップランナーの一つとなっているのが米ボストンのバイオベンチャー「モデルナ」だ。日本も、モデルナ社のワクチンを確保する動きが進む。
モデルナの特徴は、生命のセントラルドグマである「DNA→mRNA→タンパク質」というプロセスのうち、自分たちで修飾mRNAを作り出すことで、体内で"薬"を作ってしまうことだ。
これまでは実用化にいたっていなかったが、コロナ向けのワクチン開発で期待が一気に高まり、今は大規模な治験を進めている。まさに人類の未来も左右する可能性がある最新テクノロジーの裏側を、モデルナ創業者に直撃した。

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