人生100年時代を生き抜くために、今からできる3つのこと

2017/7/20
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
 20日は、社会保険診療報酬支払基金理事長特任補佐の吉井弘和さんが出演。「【新】40歳ならまだ間に合う、人生100年時代の生き残り戦略」(NewsPicks編集部)を題材に、40歳からのキャリア戦略について解説しました。

変わりゆく人生観

サッシャ 今日は、「40歳ならまだ間に合う、人生100年時代の生き残り戦略」というトピックにフォーカスです。
寺岡 解説してくださるのはNewsPicksの公式コメンテーター「プロピッカー」の吉井弘和さんです。
吉井さんは、全国の健康保険組合などの保険者に請求される医療費を適正に審査する、社会保険診療報酬支払基金で理事長特任補佐を担当されています。おはようございます。
サッシャ おはようございます。
吉井 おはようございます。
サッシャ 僕もまさに今40歳なので、ちょうど当事者問題なのかなと思っています。人生100年時代、つまり寿命が延びていくなかで、まだ間に合う戦略ってどういうものなんでしょう?
吉井 まずは、バブル時代と比べて時代環境が変わってきていることが背景にあると思います。
サッシャ なるほど、そこで40歳がターニングポイントになるんですか?
吉井 そうです。私はまだ36歳なんですが、それでも新しいことを始めたり、新しいことを学んだりすることに対してだんだん億劫になるというか、腰をあげるのにエネルギーがいるようになって、なんとなく「ここで頑張んないと周りの人と差がついちゃうんだろうな」と感じています。
サッシャ 確かに、子育てもあるし、自分に使う時間も思いのほか取れないなという感じがしています。
寺岡 働き盛りでお仕事とかもお忙しい時期でしょうし。
サッシャ バブル時代と変わってきているということですが、やっぱりバブル時代に40代で現在60歳前後の人たちと、今の40代とは人生のプランニングが違うんですか?
吉井 昔だったら一生同じ会社で勤め上げたり、会社が雇用を守ってくれたりすることが普通だったと思うのですが、今は、働いている途中で会社が無くなっちゃったり、会社に必要がないと言われちゃったり、守ってくれるものがなくなってきている印象があります。
サッシャ 安定的ではなくなってきているんですね。そこで、人生100年時代の40歳から間に合う戦略としては、どんなものがあるのでしょう?

自分の価値を上げ続ける

吉井 早いうちから3つのことに投資をしていくといいんじゃないかなと思っています。「健康」と「学び」と「人脈」ですね。
サッシャ なるほど。まずは一つ目からいきましょうか。「健康」というのは?
吉井 完全に健康な状態であり続けるのは難しいと思いますが、働くためにはそれなりに体に投資をして、働き続けられる体を維持することが大前提になると思うんですよね。
サッシャ 不健康になって仕事できなくなったら元も子もないですもんね。
吉井 寿命が長くなればなるほど、そのリスクは大きくなると思うので。
サッシャ 体を鍛えるとかジムに行くことも含めてですか?
吉井 もちろん、そうだと思います。
サッシャ まずは健康のこと。続いて「学び」というのは?
吉井 これは、20代、30代で身につけてきたスキルを今後も使い続けていけるかどうかという観点で見た時に、使えるものもあるでしょうが、だんだん陳腐化してくというか、古くなっていくと思います。
だから、自分の価値の源泉として、スキルや経験を上げ続ける必要があります。
サッシャ 確かに。僕は子供の頃にパソコン教室に通ってBASICとかを勉強しましたけれど、今はもう、ほぼ利用価値ないですもんね。
今の子供たちはスマホやパソコンが当たり前にある環境で育って、それが身についた状態で社会に出てくる。だから、僕らはそれを積極的に学んでいかないと、彼らとかい離していく。
僕らの世代がパソコンを使えない60代、70代の方に感じているギャップを、今度は下の世代から感じられてしまうということですよね。気をつけよう。
寺岡 学び直すというのは、資格を取るとか学校に入るとか、そういうことですか?
吉井 人によって色々あっていいと思います。資格を取るでも、学校に行くでもいいと思いますし、もしくは働きながら全然違う仕事を始めて、新しいスキルを得るとか。

次の目標を持って生きる

サッシャ それは会社が認めれば、副業も含めてのことですね。そして、「人脈」という意味は?
吉井 どれだけ体が健康でスキルがあっても、仕事の機会がなければ仕事はできません。仕事の機会を得るためにも人脈を広げて、種を撒いていくのは重要だと思います。
サッシャ なるほど。人との付き合いとか人脈を広げることを怠らない。
逆に、仕事ばっかりしていて異業種の人とご飯を食べに行く機会などを減らしてしまうといかん、ということですね。
吉井 そうです。ある日突然、その会社が無くなってしまった時に、自分が持っているスキルが活きればいいんですけれど、全然知り合いがいないと次の仕事が見つからない可能性もありますよね。
サッシャ 確かに。友人という意味では、「俺、会社なくなったんだよね」という時に、「知り合いの会社で人を探しているよ」みたいなことにつながる。リスクヘッジの意味もあるということですね。
もちろん、リスクヘッジのために友達を作るわけじゃないんですけれど(笑)。
吉井 何がどう繋がるかわからないので、日頃から人脈を作っておくことが大事だと思います。
サッシャ それも財産につながると。こうしたことを踏まえて、吉井さんは、近所の自転車の修理屋さんがロールモデルとしてあるそうですが、これはどういうことなのでしょうか?
吉井 個人的な話なんですが、私の近所に自転車の修理屋さんがあるんですね。
街中で普段歩いていると大抵の自転車って、ブレーキをかけた時に「キィー」って鳴るじゃないですか。それって、その自転車に乗っている人がいつ事故を起こしてもおかしくないということです。
サッシャ 自転車としては整備ができていないということですからね。
吉井 その修理屋さんは、こうした状態を少しでも改善して、みんなが安全に自転車に乗れるようにと、大企業のサラリーマンをリタイアした後に、小さな自転車の修理屋さんを作ったんですね。
サッシャ へぇ、そうなんだ! 次なる目標を持っているといたんですね。
吉井 いきなり修理屋さんができるわけではないですから、当然サラリーマン時代から、引退後どうしたいのかを常に考えて、修理をするためのスキルも得なきゃいけないということで、準備をしていたそうです。
だから長い目で自分のキャリアを考えていたというのが私にとってのロールモデルです。
彼の場合は定年を境目に、その後まで考えていたというところがすごいと思っています。今は、そのターニングポイントの年齢は下がっているのかもしれません。

引退後の40年を考えよう

サッシャ 人生100年時代って、60歳とか65歳で定年を迎えると、下手すると40年間、引退後の人生が待ち受けているんですよね。
僕は今、生まれて40年だからね。これと同じ長さの人生が、リタイア後も控えているとなると。そりゃ孫もひ孫も玄孫の顔も見たいけれど、自分がどうしていくのかも考えないといけませんね。
寺岡 元気で、生きがいを持って、長く生きられるのが一番ですけどね。
サッシャ それが長くなってきて、昔に比べて「貯蓄もしておかないといかん」となってしまうと経済が回らなくなってしまう。
どうしたらいんだろう。
吉井 そのためにも貯蓄でなんとかするよりも、なるべく年をとっても収入を確保するという考え方が大切になると思っていて、先ほど申し上げた3つのことに投資し続けるのがいいのかなと思いますね。
サッシャ 必ずしも雇ってくれるところがあるとは限らないから、60歳とか65歳までに得たスキルプラスアルファで、収入を得る方法も考えないといけないのかな?
例えばリタイアした人の例ですけれど、駐車場の誘導員になる人が多いと聞くんですが、これだけなり手が増えてくると、そういう働き先ももう埋まってしまう気がします。何をやればいいんだろう?
吉井 そういう職業があるかどうかもよくわからないですしね、20年後に。
サッシャ そうか。全自動化されるとか、誘導員もいなくなるのか! 生涯現役でいきたいところですけどね、これ本当に真剣に考えないといけないですね。
寺岡 40歳ならまだ間に合いますか?
サッシャ ギリギリだね。老後の人生、40年間あると考えたら、これは考えないといかんね。これはすごいハッとさせられる記事でした。
今、30歳で聴いている人は「ハハ、サッシャも老けてんな」と思うかもしれないけれど、あっという間だからね(笑)。吉井さん、ありがとうございました。
※本記事は、放送の内容を再構成しています。
今回のニュースをはじめとした吉井さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
24日はスキルアップ・ビデオテクノロジーズCEOの八田浩さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
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