【朝倉×田中】事業を考える上で、最も重視しているポイント

2016/10/26
朝倉祐介氏の連載『論語と算盤と私』が 書籍化されたことを受けて、グリー代表・田中良和氏との特別対談をお届けする。
かつては、SNSやゲーム事業において競合の関係にもあった両氏。今回、朝倉氏がメディア上での発言が珍しくなった田中氏に対して、改めて起業の経緯や経営者としての思い、今後の事業における戦略などについて聞いた。3日連続全3回。

グリーは“最後発の企業”

朝倉 グリーは、今年で創業12年になります。先ほどのお話もそうですが、いろんな紆余(うよ)曲折を経てらっしゃると思います。
SNSからゲームに移ったり、PCからモバイルに行ったり。そして、プラットフォーム事業を始め、ウェブからネイティブに転換し、今ではゲームから多角化にも現在進行形で挑戦されています。
非常に濃い12年間を、今振り返って、どう思われていますか。
田中 会社を始めて思ったことは、当たり前ですけれど、「利益を出すことは重要」ということでした。
「一緒に働いている仲間に、高い報酬で報いたい」と思うのですが、それは高い利益が出て初めて実現されることですよね。元々は趣味として収益を考えず始めたわけですが、社長としては、会社の収益を上げていかなければ、仲間にも報いられないし、サービスも赤字では続かない。
その点で言うと、多くの人からは、グリーやミクシィ、DeNA、サイバーエージェント、楽天って、だいたい同じようなステージの会社と思われるんです。
朝倉 確かに、1つの塊として見られることもあります。