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RPGで知る西洋の歴史

RPGで知る西洋の歴史

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8本の記事
エルフ、世界樹、エクスカリバー。名作ゲームや映画、物語でお馴染みの言葉から西洋の基本的教養を味わう。
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岡本 広毅
立命館大学 文学部准教授
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8本の記事
エルフ、世界樹、エクスカリバー。名作ゲームや映画、物語でお馴染みの言葉から西洋の基本的教養を味わう。
アーサー王円卓騎士ガウェインと激闘の記録——太陽神の威光を背に
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——本トピックスでは、RPGの戦闘を盛り上げる能力の上昇から、西洋のアーサー王伝説に所縁のある騎士の特殊能力を紹介し、その描かれ方をみてゆきます。  『ドラクエⅤ』をプレイしていた当時、幼心を刺激するある情報がまことしやかにささやかれていました。なんと「隠しダンジョン」に現れるエスタークが仲間入るというのです。裏面のボスの仲間入りなど発想すらない中、それには条件があって、10ターン以内で倒さないといけない、とのこと。実際に戦ってみるとこれは途轍もなく困難なことでした。いざ強力な布陣を組み、挑みし歴戦の回数は知れず——あぁ、たしかに覚えています、ジャスト10ターンで撃破した奇跡の瞬間を。そして、ぼんやりと覚えているのです。たしかに何も起きなかったことを。
ダンジョンと〈ゴシック〉への入り口——商人トルネコが覗いた闇
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 RPGといえばお馴染みの「ダンジョン」。その歴史を紐解き、西洋文化のキーワードである「ゴシック」との関連性をみてゆきます。  モンスターを調理して食べちゃうところでしょ——そんな声もあるかもしれません。ともかくダンジョンはRPGに不可欠な魅力あふれるところ。「アッテムト鉱山」「バラモス城」「エビルマウンテン」など、懐かしき地名の数々に今も冒険心を駆り立てられます。いざ「ラストダンジョン」を目指して、いや、クリア後の「隠しダンジョン」を密かな楽しみに。ダンジョン風景として真っ先に思い浮かぶのは「地下の洞窟」でしょうか。そこは強力な武器や貴重なアイテムが眠る垂涎の場。反面、未知なる危険の潜む空間でもあります。落とし穴やスリップ、トロッコ操作など厄介な仕掛けが行く手を阻み、新種の凶暴なモンスターが息を潜めます。そして最奥部に待ち構えるエゲツないボス。冒険が進むにつれダンジョンは複雑化し、通路は多方向へ伸び階層も増えていきました。〈こんな奥深くにおるボスは毎回どうやって外に出ていっとんねん〉——そんなツッコミが何度も頭をもたげるほど。
RPGは「ロマンティック」?——知られざるロマンス史を紐解く⓵
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 RPGの一大源流は「ロマンス」にあり。いえ、恋愛の話ではありません。「ロマンス」とは西洋中世において人気を博した文学的ジャンルの一つ。それは小説(「ノヴェル」)が主流となる以前の呼び名で、かつての隆盛を極めたエンタメ・ストーリーでした。現在、その中心的養分はポップカルチャーの中に流れ込み、RPGはその領域の一つのように思います。では、RPGに継承される「ロマンティック」とはどのようなものでしょうか。以後数回に分け、「ロマンス」なるもののルーツと性質、そして発展について考えてみます。  RPGとロマンスの関係、といわれてもピンとこないかもしれません。RPGでロマンスといえば、当時のスクウェアで『FF』シリーズと並び、ゲームボーイ初のRPG『サ・ガ』シリーズ(1989年、第一作『魔界塔士Sa・Ga』)、そしてスーパーファミコン用ソフトとして『ロマンシング サ・ガ』 (Romancing Sa・Ga, 1992年)という作品がありました。得体のしれない二文字のカタカナ(これは中世北欧の散文物語を指す)はさらに「ロマンシング」がのっかることで魔力を増し、いつしか「ロマサガ」なる愛称で親しまれるように。この「ロマンシング」は当時どういったニュアンスで理解されていたのでしょう。
モンスターの息づく世界——野に返りし〈はぐりん〉を偲んで
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 『ドラゴンクエスト・モンスターズ』シリーズの第三弾「魔族の王子とエルフの旅」が発売され賑わっています。従来の『ドラクエ』シリーズから派生し、モンスターの育成をメインとする作品。『ドラクエⅣ』の魔族ピサロとエルフの少女との物語が掘り下げられているようです。RPG世界にとってモンスターやエルフは不可欠な存在、彼らはもはや単なる飾りでも敵でもないのです。  『ドラクエVI』をプレイしていた頃、私は期待に胸膨らませ「はぐれメタル」というモンスターとの戦いに明け暮れていました。〈仲間になる〉という情報を聞きつけたのです(実際には『ドラクエⅤ』から仲間になった)。はぐれメタルとはスライムと同系ですが、「メタルスライム」の発展形というべきモンスターです。彼らを倒すと望外な経験値が得られ、あの〈テテテテッテッテテー〉というレベルアップ音が鳴り止まなくなります。容易なレベルアップに結びつく分、そう簡単にはやっつけられません。そもそもはぐれメタルはあまり出没しません。そしてすばしっこい。出現してもこちらが攻撃を繰り出す前に逃げ出してしまう。出現率と討伐率があまりに低いため、仲間にしづらいのです。
剣と魔法と暗黒——『クロノ・トリガー』にみる西洋の歴史
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 『クロノ・トリガー』——1995年に発売されたスーパーファミコン用ソフトで、当時それはそれは大きな話題を集めました。『ドラクエ』のエニックスと『FF』のスクウェアというRPGの二大巨頭がタッグを組んだ、まさに夢のような作品でした(両者は2003年に合併、現「スクウェア・エニックス」)。さらにはキャラクターデザインに漫画家鳥山明氏を招聘。夢そのままに世間では「ドリーム・プロジェクト」と呼ばれました。そんな本作は後に続編の発表や数々のリメイク、リバイバルを経て、多くの人々に今なお愛される不朽の名作として知られています。  この電撃のコラボに心躍らないゲームファンはいたのでしょうか。『ドラクエ』や『FF』が好きだった私は真っ先に地元にある唯一の「ファミコンショップ・アラジン」で予約したのを覚えています(田舎部では発売日に手に入る可能性は低く、もどかしかったのですが)。ひとたびゲームを始めるとその壮大な世界に引き込まれ、学校の友達と進行度合いをシェアするのが日課となりました。冒険の先を越されるのが悔しく、なるべく時間をかけて翌日の登校に備える——「RPGマウント」の取り合いとでもいうべき健気な戦いがそこにはありました。

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