TSMCが世界トップになれたワケ、創業者が「インテルの2.5世代遅れ」から逆転した方法
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私も創業当時からのTSMCを見てきました。90年代は、遅れたプロセスでも、身の丈に合った投資を行い、FPGAのザイリンクスやアルテラからの注文が大きかったことを覚えています。シリコンバレーのファブレスが続々生まれ、startup feverと米国の友人ジャーナリストが言っていました。モーリスチャンさんは、この現象を見て、ファブレスが多いから、それらの注文を取るファウンドリーを作ろうと思ったと述べていました。startup feverは、当時の映画Saturday night feverから、feverという言葉が流行っていたことから、きています。
立志伝は面白いですね。
ただIDM(設計と製造)がほとんどだったその時代にファウンドリ(製造)ビジネスを確立した視点は参考になります。
PDK(プロセスデザインキット)と呼ばれる基準とモデルを作り、外部に使いやすい環境を与えることは、閉鎖的な半導体ビジネスの中で禁じ手のようなものだと感じています。
少なくとも日本にはその視点は無かったです。
その自由化された環境の中でNVIDIAやQualcom、Armなどのビジネスが生まれました。
私もモリス・チャン氏やジェンス・ファン氏に学ぶべきことは多いと感じております。まさに「企業文化は戦略に勝る(Culture eats strategy for breakfast)」(P.ドラッカー)です。
TSMCは成功に溺れることなく弛むことなき変革をし続ける企業として、半導体産業の発展に貢献し続けるということを確信させてくれます。
ボストンコンサルティングが提唱していた「ラーニングカーブ」効果としての累積生産量の増大による歩留まり向上とコスト低減が競争力の源泉であると確信したモリス・チャンが、ファンドリビジネスを始めたのす。
TSMCの第一の経営理念は、「常に誠実であること」です。その企業文化が世界トップになれた原動力ではないでしょうか?
その場しのぎの戦術・策略を弄し、人事で人を動かす企業は、やはり衰退していくということをまた教えられる気がします。
顧客を見ず、社内政治に明け暮れているのは、企業だけの話ではなく、「国民を見ず政局に溺れている」どこかの国もそんな気がしてならなくなりました。