クリエイティブ思考の邪魔16リスト

「クリエイティブ思考」の邪魔16リスト#13

惰性に流される毎日を積み重ねてはいけません

2015/6/1
毎週1回、合計16回にわたり、学術書的な高度な専門学ではなく、日ごろの実務に基づく体験を元に「クリエイティブ思考の邪魔16リスト(16回やるから)」と題して、16の異なる視点から邪魔するものを紹介します。
#1:「俺はクリエイティブではない」と思ってはいけません
#2:自己ブランディングに罪悪感を持ってはいけません
#3:昨日と同じことをやっても生き残れない
#4:規則に従い、思考停止状態に陥ってはいけません
#5:多様な人材で異なる能力をうまく組み合わせるべし
#6:働きすぎて「100%仕事人間」になってはいけません
#7:リズムがない中で思うがままに過ごしてはいけません
#8:「集中」を分散させてはいけません
#9:「英語は不要」と思ってはいけません
#10:「制約はないほうがいい」とは限りません
#11:「ギーク=変わっていて好きになれない人」ではありません
#12:五十歩百歩では「驚き」がありません

漫画『はじめの一歩』の「毎日の積み重ねがおまえを弱くする!」という台詞をご存じですか。

楽すぎる惰性に流される毎日の行動。その積み重ねが自分を弱くすると鴨川会長が放った台詞です。「質の高い」時間を毎日どのくらい確保して、行動できているかが勝負の分かれ目です。

以下の行動日程は、世界のクリエイティブな26人の作家、芸術家、科学者、建築家たちのクリエイティブな仕事(赤色部分)時間を示したものです。クリエイティブな人たちがどのようにして、「質の高さ」を追求して行動に落としているか見てみましょう。

分かったのは以下の3点です。

1. クリエイティブな時間帯は、予想通り朝に多い。10時までにクリエイティブな仕事をしている人は26人中16人。

2. クリエイティブな時間に入る前、何らかの“儀式”をしている。瞑想や運動、コーヒーなどの儀式を経て、クリエイティブな時間に入っている。

3. クリエイティブな仕事をするときは、同じところに居座らない。場所を変えて仕事をしている人は26人中17人。

上記1は想定通り。2の儀式は、気付いていない人が多いです。よく海外に行く前に空港で、「これから日本以外で過ごす」と切り替えるために、出発前にお寿司を食べる友人がいます。これも儀式です。

他にも、昼食にかつ丼を食べる、ソーシャルメディアのステータスを変える、集中できる個室へ移動する、なども儀式でしょう。場所と時間が明確であればあるほど儀式になります。クリエイティブな人は、質の高い仕事をする前の儀式の必要性をしっかりとわかっています。

3の「場所を変える」は、何時間も集中力が続かないので、クリエイティブな時間帯の合計を増やすために行っている行動戦略です。

会社でも同じ場所に居座って仕事はしていません。日本マイクロソフトは自席で仕事をしている人が40%、自席以外で仕事をしている人が60%、その比率は完全に逆転しています(参照:『なぜマイクロソフトはサイバー攻撃に強いのか?』技術評論社)。

クリエイティブ思考の邪魔リスト#13:「毎日の積み重ねがおまえを弱くする!」、26人のクリエイティブな人たちの行動のように「質の高い」時間を是が非でも確保して、毎日の行動に落とすことが、未来の結果に影響します。

すべてはその行動のために、早起きであったり、儀式であったり、場所を変えて仕事をするなどの工夫をするのです。クリエイティブ思考の邪魔リスト#14は「自分の強みを知らない」。

※本連載は毎週月曜日に掲載予定です。