2024/3/19

【独占・副社長】トヨタ「全方位戦略」のすべてを語ろう

NewsPicks 記者
今から3年前、世界中の規制当局が「EV(電気自動車)シフト」を打ち出したとき、トヨタはあくまで自分たちの道を進むことにした。
EVに傾注するのでなく、強みを持つHV(ハイブリッド車)など内燃機関の開発も続けていく「全方位戦略」だ。
世界の投資家やメディアはトヨタに背を向け、時価総額ではEV専業のテスラに大きく水をあけられた。
しかし2024年、風向きは真逆だ。世界でEVの販売成長率が鈍化し、トヨタのHVは堅調に売れているのだ。
時価総額は日本企業として初めて60兆円を超え、テスラの再逆転も見えつつある。
しかし、王者トヨタにも不安材料はある。
足元で鈍化しているとはいえ、将来的なEVシフトは必至。そんな中トヨタはいまだにEVの販売比率が1%ほどにとどまる。
トヨタは本当に、未来も勝ち残り続けられるのか──。技術部門トップの中嶋裕樹副社長に聞いた。
INDEX
  • EV「実需」は変わっていない
  • トヨタが、言い続けてきたこと
  • トヨタは、「EVで出遅れた」のか
  • BYDには「リスペクトしかない」
  • 車が「育つ」という感覚
  • サイズ半分、原価も半分
  • 「先見の明」があったわけではない
  • トヨタの「本当の敵」は誰か