ホンダと日産 EVなどの協業に向け覚書を結ぶ方針固める
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今日の引け後発表だろうか。
紐解いていくと伏線はあった。
①ホンダとGMの関係は、変わり始めていた
ホンダは元々GMと近かったが、量産価格帯EVでの共同開発の中止、最近はBMWと組んだり、ソニーとのJVもあった。
ホンダとＢＭＷ、フォードがＥＶ活用電力プラットフォームで合弁（2023/9、Bloomberg）
https://newspicks.com/news/8901910
ホンダ、ＧＭと共同開発の量販価格帯ＥＶの投入計画中止（2023/10、Bloomberg）
https://newspicks.com/news/9095465
②電池でも、ホンダを巡る情勢が変わっていた
ホンダは上記のGMとの文脈で、GMの電池（Ultium）のパートナーであるLGESとJV設立も発表していた。
ただ2年くらい前のホンダの動きで、AESCとの提携が発表されていたことが気になっていた（あとはGSユアサとも関係を戻しに行っている）。
ちなみにGMとLGESの関係も変わってきていて、最近はSamsungにシフトしているように見え、Ultium自体がどうなっていくか…
ホンダ、EVに10年で5兆円投資 30年までに世界で30車種（2022/4、日経新聞）
https://newspicks.com/news/6934471
ホンダが電池量産へ、韓国企業と新会社設立（2023/1、ニュースイッチ）
https://newspicks.com/news/8019674
ホンダとGSユアサ、EV電池で共同出資会社（2023/1、日経新聞）
https://newspicks.com/news/8032665
ＧＭとサムスン、米にＥＶ電池工場＝４０００億円投資、２６年稼働（2023/4、時事通信）
https://newspicks.com/news/8383207
③日産・ホンダ以外は、トヨタ系
日産もRenaultとの関係が変わり、ホンダはGMとの関係が変わりつつある。でもSUBARUは昔から、そしてマツダやスズキもここ10年でトヨタと関係が近づいている。
そのなかで日系の大手2社は投資なども含めてどうしていくのか、という観点で戦略上考える必要は当然出てくるだろう。上記の伏線で外れている部分もあるとは思うが、なんらか論点・考慮事項となっていたものもあると思う。北米市場に強みを持つホンダと、ヨーロッパに生産拠点を持つ日産の協業が発表されました。EVで遅れている日本としては、補完関係にある2社の協業はグッドニュースです。
EV車においては、購入時の価格や燃料補給、航続距離の観点からまだまだ課題が多いのは事実で、市場の伸びが鈍化してます。
今の段階ではEVそのものに対しての懐疑的な意見も多いですが、昨年の世界での販売台数は前年比30％増加してますし、今後も緩やかに増えていくのは間違いないと思います。
テスラやBYDを始めとする、新興メーカーに全てを持っていかれないように、ここは日本メーカーがスクラムを組んで対抗していただきたいですね。記事の内容とは関係ないのですが、言葉使いにはうるさいNHKが「覚書を結ぶ」と表現している点に興味があります。
覚書は、書類を意味するものであり、そうであれば、「覚書を結ぶ」という表現は「書類を結ぶ」ことを意味します。当然、この解釈では意味が通じません。よって、より正確には「覚書を取り交わす」となります。
これは、契約書の場合も同様であり、「契約書を取り交わす」と表現はしますが、「契約書を結ぶ」という表現は明らかに間違っており、「契約を結ぶ」という表現が正しい表現です（これはありがちな間違いです）。
ただ、覚書には、契約書でいうところの「契約」に相当する意味もないわけではありません。その意味では、「覚書を結ぶ」という表現も、必ずしも間違いとは言い切れません。そのあたり、NHKはどう考えたのでしょうか。
ちなみに、ベテランの契約実務の専門家は、こうした細かい言葉使いについても相手方の実務能力の判断材料にしますので、対外的なやり取りの文章や会話では非常に苦労します。
