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コメント
注目のコメント
変化対応力が求められる時代とされています。しかしながら、「根なし」(?)の変化一辺倒でも限界があると思っています。
その原点は記者の駆け出し時代。ある中小企業を取材したところ、社長が興奮気味に「自動車産業はこれまでとは劇的に異なる」と話していました。
その会社は、家電のプラスチック部品を主に手がけてきました。家電生産の国内空洞化を受けて、新たに自動車部品に参入したとのこと。
家電部品は一気に作っては生産が終わり、また新しい部品を一気に作るの繰り返し。一方、自動車部品は一定量を作り続ける。別の文化と呼べるほどの違いだそうです。
同様の経験を繊維産業の取材でもしました。
ある企業の社長が、自動車シート部品の縫製に進出したところ、アパレルならではの瞬間的に大量発注が来てはまた別の発注に変わるのに対し、車では同じ部品を作り続けるのを目の当たりにしたとのこと。
「だから、自動車産業ではカイゼン活動ができるのか」と話していました。
ちなみに、当時の所属は群馬県。群馬県桐生市は西の西陣(京都)、東の桐生と呼ばれ、大正時代のGNPの1割を担うほどの繊維産業の集積地。横浜港を通じて輸出していたので、横浜銀行の支店もあったほどです。
さてさて、私たちNP記者も狩猟民族的な時代変化(?)への対応が求められます。一方、農耕民族的(?)に、「コツコツ」と改善していくことも忘れないようにしたいと思う今日この頃です。「パナソニックの松下理一副社長は、「使われている機能は全体の1割程度」と認めます。」とは…なんというか。
「圧倒的に差別化された機能やデザインを持つ商品が必要があります」という指摘はそのとおりですが、少しミスリーディングな気がします。差別化はあくまで顧客の感じ方であって機能やデザインとは限らないこと、「圧倒的」とは何をもっていうのか、ということです。極端に言えば「なんとなく」でもいいのでは。
今回は家電だけの話ですが、企業の経営的に言えば、他に色々なビジネスがある中で、会社のエースや資源をどれだけこの事業にふりむけるのか、という点が最も重要です。無理せず細々でも自由度高い(VHSを生み出したビクター)みたいなやり方もあると思います。日系家電メーカーの新しいモノづくり・サプライチェーンに、
・ジョブ理論
・デザイン思考
・トヨタ生産方式
・指定価格制による価格維持(書籍の再販売価格維持制度に類似)
を組み込んだわけですね。
私も長い間、最終消費財を小売店に販売する仕事をしていたので、量販店からの値下げ圧力はよくわかります。これらの根本にあるのは、日本の商習慣である「チラシ」です。EDLP(everyday low price)の価格据え置きではなく、毎日目まぐるしく値札を変え、品を変え、チラシを刷って集客するという文化が根付いており、これで集客する仕組みが小売量販店側も麻薬のように染み付いている(昨年の売り上げ実績を追う)ため、やめられないのです。