2024/2/3

【新】無名の若者が成功者との人脈を築いた「食事会」の秘密

NewsPicks 副編集長
影響力──それは、他人にポジティブな作用を与え、動かす力。何か大きなことを成し遂げるのに、欠かせない能力だ。
この能力の核心は、いわゆるカリスマ性や財力などではなく「信頼と相互理解に基づく人間関係」にあると話すのは、行動科学者のジョン・レヴィ氏
レヴィ氏の著書『影響力の科学 ビジネスで成功し人生を豊かにする最上のスキル』(小山竜央監修、島藤真澄訳、KADOKAWA)は、マーケティングやビジネスコミュニケーションを考えるための必読書として、アメリカで大きな話題を呼んだ。
20代のころ、キャリアに行き詰まっていたレヴィ氏は、影響力のある人々とのコネクションを築こうとした。
無名のレヴィ氏が、多忙な彼らとつながるために考案したのが「インフルエンサー・ディナー」と呼ばれるユニークなイベントだ。
インフルエンサー・ディナーは、いわゆる接待(ビジネスディナー)とはまったく異なる。参加者は、お互いの素性を知らないまま、共に「料理」をするのだ。
このイベントには、他人と有意義なつながりを構築して「影響力」を獲得するためのヒントが詰まっている。
レヴィ氏をゲストに迎えた「今週の1冊」前編では、この謎のイベントに学ぶべきポイントを、余すところなく語ってもらった。
INDEX
  • 「信頼」を生む4つのしくみ
  • 「来たい」と思わせる招待状
  • 「イケア効果」を利用しよう
  • 「無防備さ」から、人はつながる

「信頼」を生む4つのしくみ

──インフルエンサー・ディナーとは、どのようなイベントなのでしょうか?
ジョン・レヴィ 社会的に影響力のある人々を招いて、共に料理をつくるというイベントです。
インフルエンサー・ディナーのユニークな点は、料理をつくっているあいだ、参加者は自分の職業や名前を明かすのを禁じられていることです。
つくった料理を食べながら、参加者はお互いの正体を当てるゲームをします。
このイベントには次のような要素が含まれており、それが信頼を醸成する土台となっています。
(Foxys_forest_manufacture/iStock/Getty Images Plus)