(ブルームバーグ): トヨタ自動車は30日、2023年のグループ世界販売台数が前年比7.2%増の1123万3039台で過去最高だったと発表した。独フォルクスワーゲン(VW)は同12%増の約924万台にとどまり4年連続での世界首位が確定した。

トヨタの発表資料によると、トヨタと高級車ブランド「レクサス」の販売台数は7.7%増の1030万7395台だった。ハイブリッド車(HV)の販売好調などで北米で24%、欧州も23%と大きく成長。競争が激化している中国市場も年末の需要盛り上がりや販促活動により前年超えを確保した。レクサスブランドは32%増の82万4258台と過去最高となった。

子会社のダイハツ工業の世界販売は前の年比3.2%増。認証試験を巡る不正の影響を受けた日野自動車は9.8%減だった。

トヨタは20年、新型コロナウイルス禍でVWが地盤とする欧州の販売が落ち込んだことなどで世界首位のタイトルを奪還し、その後は差を拡大してきた。電気自動車(EV)のラインアップ拡大で出遅れるトヨタだが、同社が得意とするHVの需要は堅調でトヨタのトップの座は当面揺るがない可能性が高い。

調査会社S&Pグローバル・モビリティの川野義昭アソシエイト・ダイレクターはトヨタが「世界トップという状況は中長期でも不変」との見方を示す。「各市場の成長や現状の実需要に即した展開を図り、消費者にとっての選択肢を多岐にわたり用意することによって台数を一定程度維持できる見立て」となっているという。

S&Pの予測では30年時点でもトヨタのライトビークル(乗用車と小型商用車)販売台数はVWを約197万6000台上回ることが見込まれている。

EVでの出遅れも指摘されるトヨタの昨年のEV販売は10万4018台だった。前の年との比較では4倍超の伸びとなったが米テスラや中国BYDなど競合と比べると低い水準にとどまっている。

川野氏は、電動化のスピードが予想よりも早くなった場合、豊富なEVラインアップを抱える競合他社に顧客が流出する可能性があると指摘。反対にEV普及が遅れた場合には「むしろ従来型の商品構成を維持し続けていることによるいわば残存者利益を享受できるような追い風が加速する可能性」もあるという。

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(EVやレクサスの販売状況、外部コメントを追加して更新します)

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