クリエイティブ思考の邪魔16リスト

「クリエイティブ思考」の邪魔16リスト#8

「集中」を分散させてはいけません

2015/4/27
毎週1回、合計16回にわたり、学術書的な高度な専門学ではなく、日ごろの実務に基づく体験を元に「クリエイティブ思考の邪魔16リスト(16回やるから)」と題して、16の異なる視点から邪魔するものを紹介します。
#1:「俺はクリエイティブではない」と思ってはいけません
#2:自己ブランディングに罪悪感を持ってはいけません
#3:昨日と同じことをやっても生き残れない
#4:規則に従い、思考停止状態に陥ってはいけません
#5:多様な人材で異なる能力をうまく組み合わせるべし
#6:働きすぎて「100%仕事人間」になってはいけません
#7:リズムがない中で思うがままに過ごしてはいけません

真面目に考えてほしい質問をします。これはジェイソン・フリードがTEDで放った最高の質問(「 なぜ職場で仕事ができないのか」)です。どうぞ自分自身に問いかけてください。

「あなたは仕事で(深く)集中したいとき、どこへ行きますか?」

カフェですか? 自宅ですか? それとも会社でしたか? 私も個別に50人くらいに彼と同じ質問してきました。カフェや自宅と答える人はたくさんいましたが、会社と答えた人はほぼいませんでした。なぜ、会社だと仕事に(深く)集中できないのでしょうか?

これが理由です。あなたは会社へ出勤し、コーヒー片手に会議へ参加。米国から“急ぎ”で会話したい趣旨のメールを受信、会議を途中退席し、米国側と電話会議。

その後、15分ほど自席で仕事をした後、次の会議に移動する。会議中に“急ぎ”メールを受信、そのメール返信に対応するあまり会議に集中できず会議は終了。

次の会議へ移動中「せとさん! ちょっといいですか? “急ぎ”なんです」と呼び止められる。10分立ち話しをして、15分ほど遅れて次の会議に参加。

次こそ会議に集中しようとしたときに、上司から“急ぎ”メール受信。会議の内容はそっちのけで上司の対応をする。内職の罪悪感に浸りながらやっと自席に戻ると「せとさん、すいません、ちょっといいですか? 結構、急ぎです」と声をかけられる。

20分ほど会話をしているところにスマートフォンが振動して、次の会議をアラートで知らせる。もちろん会議の準備はできていない…。そんな調子で夕方になって「何もしていない!」と会社の自席で嘆く……。

専門家は、これを集中力の分散(とか切り売り)と呼んでおり、『The Wall Street Journal』は、今から6年も前に警告しています。「知的労働者は平均3分ごとに作業内容を切り替えている。再び仕事に戻るために要する時間は30分もかかる」と。

本当に解決しなければいけない問題を、そもそも数分ごとに切り替わる環境化で取り組むなんて無理です。だから、少しでも深く考え、集中するには、1時間でもいいので邪魔の入らない一定の環境が必要です。

特に集中力をかき乱すメールは、ルールを決めて遮断しなければなりません。急ぎの(ようにみせかけた)用件は遮断しなければなりません。会社の自席が集中できなければ、会社の自席以外で集中できる場所をつくらないといけません。あなたなりのクリエイティブな考え方を発揮できる環境を、みつけないといけません。

そもそも人は、毎日、同じ場所に長く縛られると、発想まで縛られ固まってしまうそうです。

クリエイティブ思考の邪魔リスト#8:会議にも出た電話会議もした、こんなにやったのに実際には深みある仕事は何もしていない、と思ったら1日最低1時間は邪魔の入らない環境を確保するべし。次回、クリエイティブ思考の邪魔リスト#9は、「英語はなくても生きていける」。

深く仕事に集中できるように個室を設けたり、逆に多種多様な人が自然に交われる交流の場所を設けたり、職場の環境次第で、クリエイティブ力の発揮度合は違ってきます。下の写真は、個人的に「いいね!」としたいテクノロジー系企業の職場です。

上からグーグル(参照元)、ドロップボックス、エアビーアンドビー、オートマティック(参考元)、日本からはビズリーチ(参照元)。

グーグルのオフィス

グーグルのオフィス

グーグルのオフィス

グーグルのオフィス

ドロップボックスのオフィス

ドロップボックスのオフィス

エアビーアンドビーのオフィス

エアビーアンドビーのオフィス

Automatticのオフィス

オートマティックのオフィス

ビズリーチのオフィス

ビズリーチのオフィス

ビズリーチのオフィス

ビズリーチのオフィス

※本連載は毎週月曜日に掲載予定です。