2023/12/31

【Da-iCE 工藤大輝】僕らが「ダンスボーカルの新常識」を作る

日本の音楽界は「ダンスボーカル戦国時代」に突入している──。

男性音楽グループの環境が激動するいま、急激に露出を増やす日本人男性ダンスボーカルグループがいる。

Da-iCE(ダイス)」だ。

結成は2011年。大手事務所が業界を席巻する中、Da-iCEは東京・渋谷の小さなクラブから活動を開始。2014年にメジャーデビューを果たし、「歌って踊れるグループ」として力をつけてきた。

2020年11月、21枚目のシングルとしてリリースした「CITRUS」は、2021年10月にストリーミングでの再生回数が累計1億回を突破し、Da-iCEは同年の第63回日本レコード大賞を受賞した。

NewsPicks編集部は今回、Da-iCEでリーダーを務める工藤大輝氏にインタビューを敢行した。

激動する音楽業界のなかで、「4オクターブのツインボーカルが魅力の5人組」は、どのような戦略を描いているのか。リーダーの熱い思いに迫った。

僕らは「6人で作った会社」

──「男性ダンスボーカルグループ」としては、長い下積み時代があったと思います。苦悩はありましたか。
僕らが結成したのは2011年で、メンバー5人と当時のマネージャー1人でスタートしました。
結成当時、僕らは他のグループよりもSNSを使いこなしながら活動していました。SNSはツイッター(現・X)くらいしか広まっていませんでした。一方、大手事務所の人たちは、まだSNSに慎重になっていた時期で、まだ手を出していませんでした。
だからあえて僕らはツイッターやアメブロを活用することにしたんです。
振り返ると、つらいと思ったことはないですし、僕らとしてはすごくラッキーでした。
「SNSを積極的にやっているグループって珍しい」と言ってファンになってくれる人も多かったですし、特に、カルチャーとしてダンスボーカルが好きな人から興味を持ってもらえることが多かったです。
Da-iCE(ダイス) 2011年、工藤大輝、岩岡徹、大野雄大、花村想太、和田颯の5人で結成。渋谷の小さなクラブから始まり、年間100本のライブを行う。2012年には、AAAのオープニングアクトに出演。2014年にユニバーサルシグマよりメジャーデビュー。2015年には「第29回日本ゴールドディスク大賞」ベスト5・ニューアーティスト賞を受賞。2020年8月にレーベルをavex traxへ移籍。2020年11月発売の「CITRUS」は、日本人男性ダンスボーカルグループ史上初のサブスク1億回再生を突破。2021年に、第63回日本レコード大賞を受賞。翌2022年には「スターマイン」が、第64回日本レコード大賞「優秀作品賞」を受賞。2024年、メジャーデビュー10周年を記念した全国ツアーが開催予定。
──大手事務所から出てくる他のダンスボーカルユニットとは、どのように差別化していたのですか。
初期投資にめっちゃ突っ込んでいるグループも多いので、そこと真っ向勝負しても、僕らは負けてしまいます。
Da-iCEは、自分たちで考えて、作曲し、歌い、踊るグループです。だからこそ、僕らはどういう立ち回りで戦っていくか、その戦術を研究しながらやっていました。
そもそも大手事務所と僕らは、システムが全然違います。