2023/12/8

【最新研究】精子の「老化」の新たな仕組みを見つけた

NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト
女性の加齢とともに卵子の質が低下することは知られているが、近年、男性の精子もやはり「老化」を免れないことが様々な研究で明らかになりつつある。
卵子の老化は妊娠のしにくさや生まれた子どもの先天異常の増加につながるが、精子の老化も、自閉スペクトラム症や学習障害といった神経発達障害のリスクを高めることが、世界各国の調査で分かっているのだ。
だが、精子の質が加齢によってどう変化し、子どもにどのように影響を与えるのかについては、まだ不明な点も多い。
この謎に挑んできた東北大学の大隅典子教授(脳神経科学)らの研究チームが7日、マウスを使った実験による新たな研究成果を発表した。
遺伝子の働き方をコントロールする仕組みの一つが加齢によって変化し、それによって、神経発達障害に関連する遺伝子の働き方も影響を受ける可能性が示されたという。
記者会見の内容を元に、今回の成果を紹介する。
INDEX
  • 父の加齢が自閉スペクトラム症に関連
  • 短いRNAに着目
  • 理解進む精子の老化

父の加齢が自閉スペクトラム症に関連