2023/12/1

【人材競争力】「世界トップ25」脱落の日本に希望はあるか

人事戦略アドバイザー / Wake Consulting合同会社 代表
フランスのビジネススクール「INSEAD」が、毎年恒例で発表している「世界人材競争力指数」。その最新版である「2023年版」が、先ごろ発表された。
それによると、日本の順位は過去最低となる134カ国中26位。上位25カ国から脱落したのは、調査が開始された2013年以降初めてのことだ。
このニュースを「悲報」と受け取った人は少なくないだろう。私たちはこのランキングから何を読み取るべきなのか?
NewsPicksトピックスで、人事・キャリア情報を発信して人気を得る南和気さんに解説してもらった。
INDEX
  • 日本の人材の価値は下がっていない
  • 問題は「外に向かう感覚」の低さ
  • いきなり「世界」を目指さなくていい
  • 「同じ水槽」に留まるリスクは高まる

日本の人材の価値は下がっていない

人材競争力のランキングは、今回発表されたINSEADのもの以外にも、スイスのIMDが発表しているものなどがあります。
ちなみに、9月に発表されたIMDのランキングでも、日本の順位は過去最低の43位。いよいよ日本もヤバいな……と感じる人がいても、無理はないかもしれません。
まずひとつ言っておきたいのは、これらのランキングは「人材の絶対的な価値」そのものを問うものではないということです。つまり、必ずしも日本の人材の価値が減じているわけではありません。
👉INSEADの「世界人材競争力指数」は、技術革新や経済成長に貢献できる人材を開発、獲得、維持する力を各国の制度や政策、インフラなどの面から比較したもの。
ここで問われているのは、あくまで「世界で勝負する能力」です。このふたつを混同してはならないと思います。