2023/9/20

【GO三浦】大炎上時代に「広告産業」はこう向き合え

株式会社GO 代表取締役 PR/CreativeDirector

「憧れをあおる」のは過去の手法

ルッキズムというテーマは難しい。傷ついたり、逆に人を傷つけたりしかねない、センシティブなテーマで、一言で「こうだ」と正解を提示できない。
でも、答えを探す過程こそクリエイターの仕事であり醍醐味だ。答えがないから、やりがいがある。
だからこの難しいテーマについても、真剣に考えてみたい。
INDEX
  • 「憧れをあおる」のは過去の手法
  • 説明責任から、逃げるな
  • クリエイターが持つべき「3つの眼」
  • 「世間の感覚」に敏感に
  • 「NPの品川広告」を考える
  • 世の中を生きる「2つのルール」
ルッキズムは突き詰めると、皆が一つの価値観を信奉してつくられてきた規律のことだと思う。僕ら広告の人間は、そうした皆の憧れをあおり、助長することでビジネスを成功させてきた。
かつて、皆の憧れをエネルギーにして世の中を前進させる時代があった。効率的に社会を駆動するために共通の欲望を設定し、その1つがルッキズムだった。
それによって、便利だったこともあったのだろう。美しさ、かっこよさ、かわいさの基準は決められていた方がわかりやすいから。
ところが、その正解を目指せない人もいる。「細さ=美しさ」だと僕のような体の大きな人間は該当しないし、肌の白さを競うのであれば有色人種は除外される。