2023/9/13

【ドキュメント】「線虫がん検査」の知られざる過去

HIROTSUバイオサイエンスの複数の関係者の証言から、線虫を使ったがん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」の精度に大きな問題があるという実態を第1話と2話で明らかにした。
実は、線虫を使ったがん検査の再現性に懐疑的な目を向けるのは社内の研究者だけに限らない。
N-NOSEの実用化前後にHIROTSU社に関わった社外の人々も、線虫ががん患者の尿に寄り、健常者の尿から逃げる現象を報告するいわゆる「プロスワン論文」を「再現できなかった」と証言しているのだ。
第3話は、N-NOSE開発の前夜にさかのぼり、社外の関係者たちの証言から線虫がん検査を検証していく。
INDEX
  • 共同研究者の告白
  • 九大で出会った「運命の人」
  • 論文発表で時の人に
  • 突然の失踪
  • 実験結果を「再現できなかった」
  • 「簡単に真似できるわけない」
  • 「研究をパクろうとする人がいる」
  • 線虫検査の機械化は難しい

共同研究者の告白

6月24日、福岡市内で行われた日本がん検診・診断学会総会で、HIROTSU社の線虫がん検査「N-NOSE」の精度について3つの医療機関が発表をしたことは第1話でお伝えした。
実はこの日、同じセッションの冒頭でもう1つ重要な発表が行われていた。