2023/7/9

【ドルトン後編】大学はゴールじゃない。「社会の種火」になろう

NewsPicks for Kids編集長/NewsPicks Studios
NewsPicksが昨年8月に創刊した、まったく新しい子ども向け新聞「NewsPicks for Kids」
今の子どもたちが社会で活躍するようになる2040年ごろには、多様な他者と対話・協調したり、新しい問いを立てて解決したりする力が、ますます必要になると予想されます。
そのために必要な「ミライの学び」とは何か? 私たち大人は、自分たちが受けてきた「過去の学びの常識」を、いかにアップデートしていけばいいのか?
本連載「Next Edu」は、自身も小学生を筆頭に3児の親である「NewsPicks for Kids」編集長の筆者が、さまざまな有識者の方々に話を伺いながら考え、探求していく企画です。
第7回は、学習者中心の教育メソッド「ドルトンプラン」の実践を掲げて設立された中高一貫校、ドルトン東京学園 中等部・高等部校長の安居長敏先生へのインタビューを前後編でお届けします
前編では生徒、そして先生の探究によって実践される「学習者中心の学び」の設計について伺いました。
後編の今回は、大学合格をゴールにせず、その先の社会を変えることを目指す同校の今後のビジョンに迫ります。
INDEX
  • 合格力より大切なコンピテンシー
  • 変革する学校を増やしたい
  • 「学習者主体」をさらに前進する

合格力より大切なコンピテンシー

金谷 ドルトンにお子さんが通っているご家庭は、どのような未来を描いているのでしょうか?
安居 学校説明会などでは、最初に「ドルトンは大学入試をゴールには設定していません」とお伝えしています。
今や、たとえいい大学に入っても、その大学ブランドが自分を一生守ってくれる時代ではないですよね。
大学合格に向けて素晴らしい環境を用意したところで、常に誰かから何かを与えてもらうような状態では、子どもは変化の激しい社会をサバイブすることができません。
自分で人生を選択できる子になるには、学校生活を通して自分はどういう人間かを知り、社会にどうアクセスして生きていけばいいのかを、いろんな体験や失敗を積み重ねながら考えていくことが大切です。
そんな人間力を育てるために、ドルトンでは、以下の15のコンピテンシーを育てることをコンセプトにしています。