AIブームで時価総額1兆ドル狙うエヌビディア創業者の先見性
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Nvidiaがゲーム用グラフィックスチップを開発するために創業した当時、カナダのGPUメーカーATIと競合していました。その後、GPUの持つ特長、すなわちレンダリング回路が大量の積和演算器で構成されていることから、高性能コンピューティングの演算専用エンジンとしてGPUがスパコンや高性能コンピュータに使われました。すべての自然現象を数学的に収束できる数式で表現できれば、級数展開の数値演算という形で計算できます。これも積和演算です。そしてAIで使うニューラルネットワークモデルの計算も積和演算です。つまり、ジェンスン・ファンCEOが高性能コンピューティングとAIに力を入れるということは、同じGPUが使えるということに他なりません。
さらにNvidiaはGPUで計算しやすくするためのソフトウエア開発ツールのCUDAも提供しています。さらに各種のAIライブラリも提供しています。AI開発に必要なハード・ソフトのツールを全て揃えています。
一方で、AIはこれまでなかなかビジネスになりにくい専用AIから生成AIのような巨大なソフトウエアが必要になる汎用AIに向かっていますので、Nvidiaのこれからの高性能コンピューティングとAIと同じ方向を向いています。さらなる成長が期待できます。このニューラルネット用のハードがコンピューティング資源の大部分を占めるという現象は、レイ・カーツワイル氏が、20年前に「Age of Spiritual Machine」で明確に予想していたことです。
ニューラルネットが中心になれば、このような並列の浮動小数計算エンジンが大量に必要となることは、多少なりとも計算機のことをしっていれば、明らかです。
しかも、カーツワイル氏は、未来予測において素晴らしいトラックレコードの持ち主であるのに、全員が無視をしたという点が重要です。
さらに、ほとんどの専門家ですら、7年前までは、ニューラルネットがビジネスになるとほとんど思っていなかったのです。
これらは、主流の考え方やメディアで報道されていることが、いかに当てにならないかを示した実例だと思います。
カーツワイルさんやドラッカーのような、誰も言っていないが、実は本質、ということを早くつかまえる目を持ちたいものです。まさかGPUがAI開発の中核になるとは予想できなかったと思います。ただ、深層学習を高速化できると分かった時に、いち早く開発環境を提供した先見性は高く評価すべきでしょう。